路地裏に潜むイタリアン酒場で、1品390円からの本格派料理を楽しんで!
白ワインビネガーとオリーブオイル、アンチョビ、ニンニク、ケイパーで作るドレッシングはしっかり乳化していて、まろやかでクリーミーな後口です。パクチーも青臭さ皆無で全体に馴染んでおり、これはパセリの方がクセが出るかもなと思いました。
基本、魚介類は天満市場を中心に目利きして回るそうですが、この日のホタテは例外的に北海道出身の知人から流れてきたというレアもの。身厚でプリッと弾力がありました。
猫田しげる「ここの料理はピンクペッパー使いが秀逸だなといつも感心します。真似して家でもあらゆる料理に使ってみるけど、別物になるのはなぜだろう。」
「料理は引き算だ」を実感する、ローマ風鶏肉のカチャトーラ
次はローマ風鶏肉のカチャトーラです。これもカチャトーラね、と知ったふりをしながら「何だったっけ」と考えていましたら、マスターが「猟師風煮込みです」と教えてくれました。
最初にタマネギをオリーブオイルとバターでソテーし、その後に小麦粉をふった鶏モモ肉をニンニクとアンチョビとともに熱しながら焦げ目をつけます。もう良い匂い。私ならこの時点で食卓に出しちゃうだろうな。ここからさらに煮込んでより旨い一皿を目指す料理人の熱意に尊敬します。
独特の風味があるケイパーを刻んで入れるのがポイントです。「最初にこれで香りを出して味のベースを作ります」と、味付けはアンチョビとケイパーだけ。赤ワインビネガーも加えてフランベして酸味を飛ばし、炒めタマネギを加えます。
あれ、カチャトーラってトマトで煮込むイメージですが、いつトマト入れるの?と思ったら「しっかり鶏とキノコの味を感じられるよう、トマトは入れません」。またローズマリーの使い方にもコツがあります。「僕は油がパチパチしているところに入れず、仕上げの段階で肉の下敷きにしちゃいます。これでローズマリーの香り出しは十分です!」。ほぉ、食材を入れる順番で味がガラッと変わるのですね。勉強になります。
猫田しげる「マスター、料理は独学と言いつつも、昔から作るのが好きだったそうです。やはりベースはちゃんとあったんですね!」