syudou「音楽を仕事にしたいのなら」「プロとは?」10代アーティストに伝える“一般社会にも通じる大切なこと”とは?
――syudouさんが伝えたいテーマ ◆グラデーションでキャリアを作る ◆キャリアの中の防御力
syudou:僕は、別にすごい音楽の才能があるわけでもなく……努力はそれなりにしたつもりですけど、血のにじむような努力をしたわけではなくて。そんな人間が、みなさんに話せることは……。 僕は小中高大と学校に行きまして、就職してからミュージシャンになりました。親に心配をかけるというところは、最小限に抑えられたと思っています。そういう地続き(グラデーション)でキャリアを作っていくために必要なのは……ガンガン激しく音楽を作っていくという“攻め”だけではなく、“防御力”という要素が大切だと思っています。 僕は、学生のころからミュージシャンになりたいとは思っていたのですが、そこで気になっていたのは親とか世間体でした。誰にも嫌な顔をさせずに、音楽の道に進むために見つけたのがボーカロイドという音楽ジャンルです。インターネットを使っての音楽発信は、プロアマ関係なくできますから。 “防御力”についてですが、一番は作り続けること。これが“攻め”であり“防御”であると思います。例えば、音楽を仕事にすると言って、就職せずにフリーターを選ぶとか……フリーターも大変ですけどね。そういう自分に向いていない、合っていない道をチョイスした場合、音楽に割く時間とか根本の部分が削られてしまう。 それで、一番いいパフォーマンスができないのであれば、“就職して帰宅してから音楽活動をする”を選ぶ勇気も必要だと思います。どちらでも良いと思いますが、流されずに自分で選ぶことが大切だと思います。曲を作って演奏している時点で、もうミュージシャンなので!
◆今の時代に音楽を仕事にする上で大事なこと
syudou:音楽を仕事にするとは……お金を稼ぐことだけではなくて、仕事として社会に関わることだと思うんです。個人で発信する分には勝手にやればいいですけど、“仕事”となると基礎的なこと……例えば、遅刻しない、あいさつをちゃんとする、とかも大事ですよね。他者と人間関係をしっかり築くのは、最低限必要なことだと思います。 でもミュージシャンって、そうでない人も魅力がありますよね。ただ、個人なら裏ではきちんとするとか、バンドやチームならメンバーにちゃんとしている人もいて、トータルできちんとできていたら素晴らしいと思います。このスキルはミュージシャンだからいらない、ということはないと思います。「ミュージシャンだから○○」という決めつけは、一切しないほうがいいです。 仕事上のコミュニケーションで気をつけることは……曲を作ってスタッフの方に聴かせたときに、わかってもらえないジレンマがあると思います。それは、きちんとと伝える努力をしているかどうか、ということもあると思います。