ステーブルコインはアジアでの機関投資家への普及を促進する:チェイナリシスCEO
チェイナリシス(Chainalysis)の共同創業者兼CEOのマイケル・グロナガー(Michael Gronager)氏は、シンガポールで開催されたカンファレンス「Token2049」のインタビューで、「たとえ規制当局が不満だとしても」ステーブルコインはアジアでの機関投資家への普及を促進するだろうと述べた。だが、この地域では他の地域より多くのユーザーが暗号資産(仮想通貨)に参入しているものの、米国は依然として業界で最も影響力のある地域だ。 ステーブルコインは、価値がドルやゴールド(金)のような現実資産にペッグ(固定)されている暗号資産で、暗号資産取引システムを支えている。また、価値が固定されている、あるいは固定されることを意図しているため、価値保存の手段や交換手段として使用できる。 「現在、暗号資産の最大のトレンドとして我々が目にしているものの1つ、そしておそらくキラーアプリは、ステーブルコインのようなありふれたものだ」と同氏は述べた上で、「ブロックチェーン上の総取引量の3分の2がステーブルコインだ」と付け加えた。
アジアで普及が進む
ブロックチェーン分析会社のチェイナリシスは、世界中の暗号資産の状況とその普及に関するレポートを定期的に発表している。最新のものでは、「Global Adoption Index(国際的普及インデックス)」のトップ10にアジアの5カ国がランクイン。インドとナイジェリアは、草の根レベルでの暗号資産の普及という点で上位2位を2年間維持しており、新たに3位となったインドネシアは最も急速に成長している。 「昨年、日本の1つか2つの銀行が、1年以内に米ドルを裏付けとしたステーブルコインをローンチすることを望むと述べた。まだ実現はしていない」と同氏はした上で、「先週、日本で話をしたところ、そのようなステーブルコインのローンチを望む銀行は現在10行ある」と語った。 「なぜまだ実現していないのか?(なぜなら)銀行が時間がかかっているからだ。彼らは規制当局と話をしている」 規制当局は間違いなく「ある程度の懸念」を持っており、多くのことを解決する必要があると同氏は述べた。その一方で、同氏によると、銀行は送金に関してステーブルコインとの高まる競争に対峙しなければならない。