「194キロは『危険』と当たり前の判断を」28日に判決、危険運転致死罪の適用が争点
公判ではプロドライバーなど複数人が出廷し、高速度が運転に与える影響を証言した。長さんは全ての審理を傍聴し、法律論としてそうした立証が必要なことは理解できた。だが最後まで違和感をぬぐえなかった。「194キロの危険性は、これだけ専門家に語ってもらわないと証明できないものなのか」
高速度運転を巡っては時速100キロを超える死亡事故でも「過失」と判断される事案が相次ぎ、法律の在り方を議論する法務省の検討会は13日、数値基準を設ける案を盛り込んだ報告書のたたき台を示した。
法改正に向けた進展といえるが、仮に法律が変わったとしても、施行までに発生した事故には現行法が適用される。法改正の動きを決して否定するわけではないが、議論が活発になるほど「現行法では危険運転致死罪は適用できない」と言われているようで、心が痛んだ。判決を目前に控え、「裁判所は今のままの法律でも危険運転を認めてくれると信じている。高速度運転の先例となってほしい」と語った。