ペナルティをめぐり深まる確執。ラッセルがフェルスタッペンの非難に怒りの反撃「脅されて黙っているつもりはない」
F1カタールGP予選での出来事により、レッドブルのマックス・フェルスタッペンとメルセデスのジョージ・ラッセルが互いを激しく非難し、対立がエスカレートしている。Q3クールダウンラップでフェルスタッペンが不必要に減速しすぎていたとラッセルが強くアピール。フェルスタッペンは、他のドライバーたちの邪魔をしないためだったと説明したが、スチュワードはフェルスタッペンをポールポジションから降格し、その結果、ラッセルがグリッド先頭の位置を手にした。 【写真】2024年F1第23戦カタールGP スタートでトップに立ったマックス・フェルスタッペン(レッドブル) フェルスタッペンが激怒したのは、予選後にスチュワードルームにおいてその件について話した際のラッセルの姿勢についてだった。「相手にペナルティを与えようと、そこまで積極的に行動し、僕がしていたことについて嘘を言う人間がいるなんて、全く予想していなかった。そしてそれが影響をもたらした。あそこで起きていたことは、不愉快で、とても衝撃的だった」とフェルスタッペンは述べた。彼は、ラッセルの態度を受け入れられないと憤りを示し、カタール直後には、「敬意をすべて失った」とも話していた。 フェルスタッペンの非難を受け、アブダビGP前にラッセルが記者会見で激しく反論した。会見にはトト・ウォルフ代表も同席した。 「土曜の夜に、彼は、わざと僕にクラッシュしてやるとか、僕の頭をウォールにたたきつけてやるとか、言っていたことを考えると、すごく皮肉だ。そんな発言をした翌日に、他人の人間としての誠実さを疑問視するなんて、とても皮肉に感じるし、僕としては黙ってそれを受け入れるつもりはない」とラッセルは話した。 「人々はもう何年もマックスに脅されてきた。彼のドライビング能力には疑問の余地はない。ただ彼は自分に不利なことが起きたとき、それに対処できないんだ。2021年のジェッダ、2021年のブラジルで、彼は感情を爆発させた。今年(2024年)、初めてマシンが支配的でなかったブダペストでは、ルイス(・ハミルトン)に突っ込んでいき、チームを批判した」 「土曜夜と日曜日の彼の発言は、完全に敬意を欠いたものであり、不必要なものだと、僕は考える。コース上で何が起ころうと、僕たちは激しく戦うし、それがレースの一部だ。それではスチュワードルームで起こることについてはどうか。激しく戦うけれど、決して個人的な戦いではない。でも彼は今、やりすぎている」 ラッセルは、フェルスタッペンとの関係修復に動くつもりはないと明言した。 「彼とこの件について話すことには興味がない。和解を図ることにも興味がないんだ。これは彼自身が対処すべき問題であり、僕はこのことで少しでも睡眠を奪われるつもりはない」 ラッセルは、ハミルトンを讃えることで、フェルスタッペンの批判を行った。 「ルイスは僕がなりたいと思うようなワールドチャンピオンだ。彼は子どもたちが目指すべきロールモデルとしての金字塔だと思う。2021年のチャンピオンシップ争いにおいて、ルイスがどう対処したか。彼は激しく、攻撃的に戦いつつ、常に敬意を払い、決して限度を超えることはなかった」 「人はほんの少しの判断ミスで、限度を超えることがあるかもしれない。でも、誰かにわざと突っ込むとか、相手の頭を壁にぶつけると言うことは、完全に一線を越えている」 フェルスタッペンがまずメディアに対してラッセルへの攻撃を始めたために、自分も同じことをしたのだと、ラッセルは述べた。 「彼がメディアで話したから、僕は声を上げたんだ。彼は、僕をドライバーとして尊重していないと感じる。彼とは12年間の付き合いがあり、その間、お互いに敬意をもって接してきた」 「でも今、F1のトップにいる男が、自分は法を超えていると考えている。それは正しいことだとは思わない。僕は彼のコース上での戦いを尊敬しており、激しく攻撃的であるときも評価している。でも、2021年シーズンの終わりに見たことや、メキシコでランド(・ノリス)に対してしたことは、もはや、“激しくアグレッシブなアクション”といえるものではない」 「あれは、やるかやられるか、つまり『相手を排除してやる』という動きだった。それは正しいレースのやり方ではないと、僕は思う」 [オートスポーツweb 2024年12月06日]