【ジャパンC展望】外国馬の布陣は近年最強 日本の〝総大将〟武豊&ドウデュースが迎え撃つ!
[GⅠジャパンカップ=2024年11月24日(日曜)3歳上、東京競馬場・芝2400メートル] 「世界に追いつき追い越せ」という気運のもと、1981年に創設された日本初の国際GⅠ。そんな目標を達成できたかどうかはともかく、海外遠征で数々の結果を残してきた日本馬陣営の努力により、ファンにとっても〝世界〟は間違いなく身近なものとなった。 そのような日本馬の成長の影響か、欧州とは大きく異なる馬場を嫌ってか、それとも香港などの他国レースとの絡みなのか…。近年のJCには外国馬の積極的な参戦は少なく、2005年アルカセットを最後に外国馬の勝利も20年近く遠ざかっていた。しかし、今年は海外からビッグネーム3頭が来日。実力はもちろん、話題性も兼備した外国馬の参戦により、今年のジャパンCはより一層の盛り上がりを見せそうだ。 オーギュストロダン(牡4・Aオブライエン)はディープインパクトの最終世代の一頭。海外所属のディープ産駒がJRAのレースに出走するのは初めてのケースで、勝てばイレギュラーな形での同産駒4組目の父子制覇となる。いきなりの大敗もある上下動の激しいキャリアが魅力の要素のひとつだが、日本の至宝のDNAを受けたGⅠ6勝馬がラストラン予定のここで底力を発揮できるか。 ゴリアット(セン4・Fグラファール)はキングジョージ6世&クイーンエリザベスSでのちの凱旋門賞馬を破ってGⅠ初V。その実績はもちろん、独特な歩様(鶏跛=けいは)や他陣営を挑発するようなオーナーの強気発言で注目度が高まっている。バーデン大賞勝ち馬のファンタスティックムーン(牡4・Sシュタインベルク)は、女性トレーナーが帯同して来日し、つきっきりで調教を担当。レースでは自身のパートナーでもあるピーヒュレクに手綱を託す。これら3頭の外国馬は褒賞金交付の対象レースを制しての来日。勝てば1着賞金5億円のほかに300万米ドル(約4億6000万円)を手にできるとなれば、勝負度合いも高い? ホームで迎え撃つ日本勢の総大将はドウデュース(牡5・友道)。天皇賞・秋では後方一気の差し切りで2、3、4歳時に続く4年連続のGⅠ制覇を決めた。年内引退が既定路線で残りはここと有馬記念。ダービー制覇の舞台でGⅠ5勝目を挙げ、トップギアのままラストランに向かうことができるか。ダービー馬が5歳以降にジャパンCを制覇すれば、09年ウオッカ(当時5歳)に続く史上2頭目となる。 12年ジェンティルドンナ、18年アーモンドアイと過去2頭しかいない3歳牝馬Vを狙うのがチェルヴィニア(木村)。ぶっつけで臨んだ秋華賞では堂々たる勝ちっぷりでオークスとの牝馬2冠を達成した。デビュー7戦目でのJC制覇となればエルコンドルパサー、アーモンドアイに並ぶ史上最少キャリア記録となる。 スターズオンアース(牝5・高柳瑞)は22年の牝馬2冠馬で、昨年の3着馬。今年もブランク明けの一戦となるが、これまでに何度も休み明けで好走してきた実績がある。今回は桜花賞V以来となる川田とのコンビ。オークス以来のGⅠ勝利(GⅠの勝利間隔=約2年6か月1日は牝馬としては最長)を目指す。 他にも、今春にGⅠホースとなったジャスティンパレス(牡5・杉山晴)=天皇賞・春、ブローザホーン(牡5・吉岡)=宝塚記念、昨年の皐月賞馬ソールオリエンス(牡4・手塚)がスタンバイ。英GⅠインターナショナルSからの帰国初戦となるドゥレッツァ(牡4・尾関)も調整は順調だ。GⅠ勝ちはない面々にも、凱旋門賞にトライしたシンエンペラー(牡3・矢作)、GⅠで堅実な走りを続けてきたダノンベルーガ(牡5・堀)がいて、ともに上位進出を狙う。
東スポ競馬編集部