アップル「EV開発から撤退」の意味と、次なる探索 「iPhoneと車との連携強化」は新たな段階に入る
3月8日に発売したM3搭載のMacBook Airでは、「AI PC」というインテルのマーケティングワードを用いて、クラウド側ではなく手元のマシンでのAI処理を、Macの優位性としてアピールし始めた。ネットワーク不要、プライバシーを守りながら、高度なAI活用を進める環境を打ち出していく。 同様に、2024年のiPhoneやiOSの最新版でも、より明確にAIを普段使いする方法を提示することになるだろう。
そして2024年2月に発売されたApple Vision Proは、1984年登場のMacintosh以来、iPhoneが登場してもなお、「画面の中」にとらわれていたコンピューターの利用を、「空間」に解放する存在だ。 これにより、コンピューターを使う「場所」である家庭やオフィス、学校などの空間への影響が広がっていくことが考えられる。 EVの探索は失敗に終わったが、ニーズやトレンドへの対応を行いながら、着実で優位性を作れるチャレンジを、アップルは今後も行っていくだろう。
松村 太郎 :ジャーナリスト