「一本取ることを目指していきませんか」パリ五輪終え、変わりゆく柔道に大野将平氏が指摘「指導狙いは見る人を退屈にする」
パリ五輪の柔道全日程が終了し、リオデジャネイロ五輪、東京五輪の男子73キロ級2連覇王者で、現地の中継解説を務めた大野将平さんが自身のXを更新。現在の柔道への想いをつづった。 【写真】不可解判定で反則負けの選手ブチ切れ!審判に詰め寄る 「パリオリンピック柔道競技の応援ありがとうございました。違った角度からオリンピックをみて解説者として携われたことは私にとって貴重な経験となりました」と感謝を伝えた上で、様々な課題が出た今大会に「柔道は国際化され様々な格闘技の技術も取り入れられています。柔道を良くしていくには『正しく組んで正しく投げる』ことが必要だと感じました。選手全員がお互いに組み合う時間を増やして投技を打ち合うこと、一本勝ちを目指して行くこと、誰が見てもわかりやすい柔道を体現していくこと。攻めた結果、相手に指導がいくわけで指導狙いの柔道は見ている人を退屈にさせます。ルールについての議論をする前に、変わったルールを追いかける前に、古き良き時代の柔道を、現在に至るまで変わっていない柔道の本質を今一度知り、突き詰めていきたい。我々は投げること、抑え込むこと、一本を取ることを目指していきませんか」と、改めて柔道の本質を突き詰めていくことの重要性を指摘した。 そして「東京オリンピックの前に岡野功先生から『どちらが勝ったか、白黒はっきりわかるような柔道をしなさい』と言われたのを思い出しました。子供達が見ていてかっこいい、やりたいと思うような柔道を畳で展開したい、オリンピックだけではなく、普段の大会から柔道を応援していただけると幸いです。選手、関係者の皆さん、お疲れ様でした」と締めくくった。 また、「フランスの英雄、テディ・リネール選手は強かった。彼と乱取りは何度かしたことがありますが、試合でも闘ってみたいと思いました。フランスチーム、2連覇おめでとうございました」と、混合団体を制したフランスを祝福した。