クックFRB理事、追加利下げを「より慎重に進める」こと可能
(ブルームバーグ): 米連邦準備制度理事会(FRB)のクック理事は、追加利下げに関して政策当局はより慎重に進めることが可能との見解を示した。労働市場が堅調な上に、インフレ圧力が根強く残っていることに言及した。
クック理事は6日、ミシガン州アナーバーで開催されたイベントで「昨年9月以降、労働市場は当時の私の想定に比べて幾分堅調である一方、インフレは根強い」と指摘。「それゆえ、追加利下げをより慎重に進める余裕がある」と述べた。発言内容は準備原稿に基づく。
米連邦公開市場委員会(FOMC)は昨年9月に利下げを開始し、12月まで3会合連続で引き下げた。クック理事はこうした措置によって「金融政策の景気抑制度合いが著しく低下した」と述べた。
「私は当初から、金融緩和の早い段階にはより迅速に動き、政策金利が中立に近づいたら緩和ペースをより漸進的にすることを想定していた」と発言。「時間とともに、政策金利をより中立的スタンスに向けて動かすことが適切になる公算が大きいだろうと、なお考えている」と話した。
クック理事は米経済については、「良好な状態で」今年が始まったと評価。失業率が比較的低いことや賃金の伸びがインフレ率を平均的に上回っていることを踏まえ、雇用の状況は堅調との認識を示した。労働市場がインフレ圧力を著しく高める要因だとはみていないとも語った。
物価上昇についてはここ数年で大きく鈍化したとした上で、「当局の2%目標に達するには、まだ先がある」と言明。「インフレ率は均一ではないにせよ、2%目標に向けて時間をかけて持続可能な形で徐々に戻りつつあると、引き続きみている」と述べた。
原題:Fed’s Cook Says Officials Can Be More Cautious With Rate Cuts(抜粋)
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Amara Omeokwe