久保建英のビジャレアルが獲得報道も…スペイン2部サラゴサ退団濃厚の香川真司の今後はどうなる?
こう語っていた香川にとって、ようやく手繰り寄せたスペインでの挑戦を昇格プレーオフ敗退で終えた昨シーズンの軌跡には、自身のパフォーマンスを含めて不完全燃焼の思いを抱き続けたはずだ。だからこそ、ビジャレアルの一員としてラ・リーガ1部の舞台で新たなスタートを切れれば、一気に高まるモチベーションに導かれるように、ここ数年は見られなかった輝きを放つかもしれない。 現地時間1日には新シーズンの日程が発表され、ビジャレアルは13日午後6時半(日本時間14日午前1時半)にキックオフされる開幕戦で、2部優勝を引っさげて堂々の昇格を果たした、元日本代表FW岡崎慎司を擁するウエスカをホームのエスタディオ・デ・ラ・セラミカに迎える。 香川と同じく昨シーズンからラ・リーガ2部に挑んだ34歳の岡崎は、クラブ側の不手際で当初契約したマラガで選手登録されないまさかの事態をはね返すかのように、開幕直後に加入したウエスカで12ゴールをゲット。チーム得点王になるとともに、愚直で献身的な姿勢で1部昇格へ導いた。 リーグこそ異なるものの、岡崎と同じ1986年生まれの日本代表DF長友佑都も、前日8月31日に仏リーグアンの名門オリンピック・マルセイユと1年契約を結んでいる。ベテランたちがヨーロッパの5大リーグへ復帰を果たすなかで、かつて「ヨーロッパでは30歳になると、特にシビアにとらえられる」と表情を曇らせたことがある、2人よりも年下の香川が後塵を拝するわけにはいかない。 何よりもレアル・マドリードへ復帰してさらに上の舞台を目指す久保と、世代交代の掟をはね返すようにヨーロッパの戦場をたくましく、そして雄々しく生き抜く岡崎が邂逅する瞬間に香川も加われば、深夜の日本をワクワクさせ、なおかつ勇気づける光景がスペインの地から届けられることになる。 (文責・藤江直人/スポーツライター)