久保建英のビジャレアルが獲得報道も…スペイン2部サラゴサ退団濃厚の香川真司の今後はどうなる?
ともに平成に入って産声をあげた2人のアタッカー、巳年(へびどし)生まれで干支がちょうどひと回り違う31歳の香川真司と19歳の久保建英が、ピッチの上で初めて共演するのだろうか。 久保の加入とともに日本のサッカーファンの間でも注目度が急増している、ラ・リーガ1部のビジャレアルが新たな戦力として、同2部のレアル・サラゴサに所属する香川にターゲットを定めていると、現地時間8月30日にスペインメディアの「GOL DIGITAL」が伝えた。 スペイン国内では「GOL DIGITAL」がやや信憑性に欠けるメディアとして、位置づけられていることを念頭に置く必要があるが、来年6月末までサラゴサと契約を結んでいる香川は、新シーズンの開幕を前にしてクラブ側から退団を求められたと、先月下旬にスポーツ紙の「アス」などで報じられていた。2010年代のほとんどで、日本代表の「10番」を背負い続けた男の去就はどうなるのか。 独ブンデスリーガの強豪ボルシア・ドルトムントで、実質的な戦力外となっていた香川は昨年8月にサラゴサへ加入。2012-13シーズンを最後に遠ざかっている、ラ・リーガ1部昇格へクラブをけん引する期待を背負い、ドイツ、イングランド、トルコに次ぐ海外での挑戦をスタートさせた。 ポンフェラディーナとの第2節で移籍後初ゴールをマークするなど、開幕直後の香川は順調な滑り出しを見せていた。しかし、その後はけがや体調不良などの影響もあってなかなか安定したパフォーマンスを発揮できず、最終的には31試合に出場して4ゴールという成績に終わった。 昇格圏内につけていたサラゴサも、新型コロナウイルスによる長期中断から明けた後に失速。3位に終わって自動昇格を逃し、昇格プレーオフ準決勝で6位のエルチェの前に苦杯をなめさせられた。香川自身はホーム、アウェイの2試合を通じてトップ下で奮闘したものの、評価を覆すまでには至らなかった。 香川の年俸45万ユーロ(約5700万円)は、長く2部に甘んじているサラゴサでは上位にランクされていた。そこへ1部昇格を逃し、さらにスペインでも猛威を振るった新型コロナウイルスによって財政的に深刻な影響を受けたこともあり、サラゴサは契約解除を求める決断を下した。 さっそく中東のサウジアラビアやカタール、さらにトルコのクラブが興味を示したとされる。古巣のセレッソ大阪もその意向を注視してきたなかで、いつかプレーしたいと香川が熱望してきたラ・リーガ1部の、しかも昨シーズンには5位に入った強豪ビジャレアルの名前が浮上した。 今シーズンからビジャレアルの指揮を執り、レアル・マドリードから期限付き移籍で久保を迎え入れることを強く進言したウナイ・エメリ監督が、香川の獲得も熱望していると報じた「GOL DIGITAL」によれば、すでに香川サイドの代理人と接触しているという。 UEFAヨーロッパリーグも並行して戦う新シーズンへ向けて、司令塔サンティ・カソルラ(現アル・サッド)が抜けたアタッカー陣、特にトップ下を務められる選手の層を、少しでも厚くしたい狙いがあるのかもしれない。