【松田浩(ガンバ大阪フットボール本部 本部長)インタビュー後編】組織改革で模索する『ガンバらしさ』とは。2024シーズン前半戦レビュー
クラブとして成功と失敗のデータを積み重ねる必要性
――フットボール本部は「強化部」「アカデミー部」「普及部」「フットボールマネジメント推進部」の4部署で構成されています。各部署の部長について松田さん目線で紹介してもらえませんか? 「強化部(部長)の梶居(勝志)は選手時代に対戦したことがあるんですよ。僕がマツダ(SC)で、彼が松下(電器)に所属していた時の話で昔からよく知っています。元選手だからこそ(ガンバ大阪の)選手たちのコンディションやメンタルの変化など、よく見ているなと会話から感じることは多いですね。今年のガンバの好調要因の1つとして新加入選手が機能していることは大きくて、そこは彼を中心に強化部がシーズンオフに大変な想いをしながら頑張って編成した成果だと思っています」 ――「アカデミー部」「普及部」の部長である星原隆昭さんはガンバ大阪の元選手である星原健太さんのお父さんです。 「今は『健太のお父さん』というイメージでしょうけど、昔は(健太さんの方が)『星原さんの息子』という感じだったんですよ。関西人の典型のような人で、めっちゃおもろいオジサン(笑)。星原とは日本サッカー協会で一緒に仕事をしていて、一時期は常に一緒に行動していた関係です。アカデミーに関する経験が豊富なので頼りになる人物です」 ――「フットボールマネジメント推進部」の部長は竹井学さん。過去にフットボリスタの取材を何度も受けていただいていますが、これまではビジネス寄りの部署で活躍されていた方です。 「フットボールマネジメント推進部は他の3部署と比べると少し特殊で、アヤックスやチョンブリーFC(タイ)との提携など、そういう戦略的なことを考える部署です。私を含め、フットボール本部は個人事業主というか、契約社員として活動している人間が多く、いつガンバを離れることになるか分かりません。ただ、そういう人間だけで(フットボール本部を)編成するとクラブとしての蓄積がない。監督の選び方、チームの編成、選手の査定……クラブとして成功と失敗のデータを積み重ねる必要があって、それを司る部署として(正社員である)竹井が部長を務めています」 ――クラブとしてデータの蓄積や継続性の重要性は以前、竹井さんも話されていました。 「経営企画部の部長としてクラブの未来図を描く中で、大きな視点でその重要性を感じる部分はあったのかもしれませんね。フットボール領域においても、今後はクラブが目指す方針に沿って、データも活用しつつ、代理人から推薦された選手を獲得するだけではなく、主体的な選手獲得や編成を促進する……そういう部分でも機能する部署になると思います」