決勝前に合流した「27人目の選手」。ようやく献身が評価されたモラタ。スペイン優勝の舞台裏を番記者が明かす【現地発コラム】
「他の国だったら、伝説として扱われているはずだ」
ルイス・デ・ラ・フエンテを除いて、誰も予想していなかった。スタジアム中の視線がWワンダーキッズのラミネ・ヤマルとニコ・ウィリアムスに集まり、スペインのサッカーがダブルボランチのロドリとファビアン・ルイスに託される中、ミケル・オジャルサバルが現われ、ラ・ロハに4度目の欧州制覇をもたらした。 【PHOTO】EUROに出場した名手たちの妻、恋人、パートナーら“WAGs”を一挙紹介! オジャルサバルはデ・ラ・フエンテにとって常にアンタッチャブルな存在だった。招集するには、コンディションを回復させるだけで十分だった。オジャルサバルはその指揮官の信頼に応えた。舞台はEURO決勝戦。イングランドに1-1に追いつかれ、試合は終盤に差し掛かっていた。これ以上のタイミングはなかった。 試合後、オジャルサバルは「僕は自分の仕事をした。幸運にも、チームに勝利をもたらすゴールを決めることができた。僕のように困難な時期を過ごした人間にとっては、メンバー入りするだけでもとても価値がある。そのうえ、今日のようにチームを助けることができれば最高だ」と声を弾ませた。 オジャルサバルは、アルバロ・モラタに代わってピッチに入った。それはキャプテンの正当性が証明された瞬間でもあった。66分、電光掲示板に背番号7が表示されると、スペインのファンはモラタの名前を連呼した。 スペイン人はようやく、モラタの泥臭い仕事を評価し始めたのだ。試合前、コーチングスタッフはオフレコでその働きぶりを強調していた。 「アルバロは試合の流れを読むのが巧みで、味方を活かすスペースメイクに長けている。ニコやラミネは、アルバロとは異なるエゴが強い9番と前線を組んでいたら、ここまで持ち味を発揮できなかったはずだ」 一方、デ・ラ・フエンテは公の場で、サッカーだけでなくその人柄も称賛し、大会期間中もバッシングを浴びたキャプテンを擁護した。 「他の国だったら、アルバロはその価値に見合った名声を得て、伝説として扱われているはずだ」 ベルリンでは、指揮官の言葉はその采配と同様に効果を発揮した。ファンはモラタにスタンディングオベーションで称え、代わって投入されたオジャルサバルが決勝ゴールを決めた。しかし、サッカーはマン・オブ・ザ・マッチに選出されたニコ・ウィリアムスのスパイクに宿っていた。 準決勝のフランス戦ではヤマルがスポットライトを浴びたが、イングランド戦ではニコ・ウィリアムスの出番だった。ドレッシングルームでは子供じみたいたずらをしあう仲の2人は、ピッチ上では一転して成熟したプレーを見せ、スペインを頂点へと導いた。
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