『OITA CULTURAL EXPO!’24』大分・別府・佐伯・臼杵・竹田・国東半島で体験する新しいアートのかたち。
6月30日まで大分県で開かれている『OITA CULTURAL EXPO!’24』。大分をアートの地に変えた仕掛け人がおくる新しい芸術文化イベントだ。その見どころを紹介する。 【フォトギャラリーを見る】 温泉だけではない。大分県はアートに沸く地域だ。世界有数の湯どころ別府市では、2009年から国際芸術祭『混浴温泉世界』、市民文化祭『ベップ・アート・マンス』、またアニッシュ・カプーアや目、西野達などを招いた個展形式の芸術祭『in BEPPU』を開催。2012年から14年にかけて、神仏習合発祥の地・国東半島を舞台に開かれた『国東半島芸術祭』には、オノ・ヨーコやアントニー・ゴームリー、宮島達男といった名だたる作家が参加し、その恒久展示された作品を見に、今も多くの人が訪れる。日本の美術史を少し遡れば、戦後前衛美術運動「ネオ・ダダ」のメンバー吉村益信や赤瀬川原平が幼少期を過ごしたのも大分だった。
アートが地に根付くここ大分県を舞台に、今、新たなアート&カルチャーイベント『OITA CULTURAL EXPO!’24』が開催中だ。ディレクターは先述の芸術祭を長年手がけてきた山出淳也。いわば、大分をアートの地に変えた仕掛け人である。 「「今回、別府での“個展の芸術祭”を、広域で同時開催しようと思ったんです」と山出。その言葉通り、このイベントでは別府市、大分市、佐伯市、臼杵市の4地域でそれぞれ1名のアーティストが新たに作品展示やパフォーマンスを行い、近年アーティストの移住が進む竹田市では地域のアートマップを作成するプロジェクトを実施。またアート作品が恒久設置されている国東半島を含めた全6エリアで町歩きや食事を含む「カルチャー・ツアー」も行われる。もちろん作品自体も面白いのだが、このツアーが実にユニークだ。 「僕自身、これまで芸術祭などでアートツアーを企画してきましたが、ただのコンテンツ巡りでは物足りないと考えていました。そこでキーワードにしたのが“食”。国際的な美術展である『ヴェネチア・ビエンナーレ』に行くと、みんなイカスミ料理を食べる。アートをめぐる旅の楽しみは、意外と食でもあったりするんです」(山出) 各地の「カルチャー・ツアー」について詳しくは こちら 。