「クセに注目しすぎて」超速・五十幡亮汰はなぜプレミア12米国戦で盗塁死した? 本人&亀井善行コーチが明かす「サニブラウンに勝った足だけでなく…」
国際大会、勝負の場面の重み
盗塁はスタートが命だ。そのための勇気は何より肝心だが、かといって闇雲に走れば自滅してしまう。特に国際大会で、勝負がかかる局面での代走起用となれば、失敗は許されない。相手バッテリーが3度も牽制球を投じるほど警戒されていて、まだノーアウトということを考えれば無理をして走る場面ではなかったのかもしれない。 亀井コーチが言う。 「思い切って行ってくれるのはいいんです。ただ点差や状況を考えて、チームにとって大事なランナーの代走で行くということで難しさはありますね。今日に関しては少し闇雲というか、視野が狭くなっていた部分があったかな。あれだけの足の速さがあるのに、(日本ハムで)盗塁アウトが多いという部分は、やはりそういう課題があるのだと思う。色々と経験を積んで、成功率というところを求めていくのがこれから大事になってくるんじゃないかと個人的には思います」
サニブラウンに勝ったスピードだけでなく
五十幡は埼玉・行田市立長野中学校までは陸上の短距離選手としても活躍。3年夏の2013年には全日本中学校陸上選手権で100mと200mの二冠を制しているが、この時現在100mで日本歴代2位の記録を持つサニブラウン・ハキームを破って優勝していることはあまりにも有名だ。直線を走らせればそのスピードは日本球界随一。しかし今季は盗塁18に対し盗塁死9と成功率が低く、盗塁技術を磨く必要があることは本人も意識する大きな課題だ。 侍ジャパンではここまで4試合に出場。特に1次リーグキューバ戦では、同点で迎えた8回に代走で登場して三塁まで進み、栗原陵矢(ソフトバンク)の浅いレフトフライでタッチアップ。恐ろしいスピードで生還して決勝点をもぎ取り、その武器を世界に見せつけた。井端弘和監督は「五十幡は替えのきかない選手」と話しており、国際大会では不可欠な足のスペシャリストとして重用している。 この日の五十幡は、失敗だけでは終わらなかった。6-1とリードを広げて迎えた8回1死では、7番手の左腕C・ビューから死球を受けて出塁。続く坂倉将吾(広島)の打席の2球目に盗塁成功し、さらに捕手の悪送球の隙をついて三塁進塁。桑原将志(DeNA)のセンター前ヒットで7点目のホームを踏んだ。
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