小池都知事「ステージ2に抑え込む」 「リバウンド・変異ウイルス・ワクチン」がポイント
東京都の小池百合子知事は5日、政府が新型コロナウイルス対策のため東京を含む首都圏の1都3県を対象とした緊急事態宣言を2週間延長し、今月21日までとしたことを受けて記者会見した。小池知事は都内の状況について、政府のコロナ分科会が示している指標のうち、新規陽性者数、感染経路不明者の割合、PCR検査の陽性率が「ステージ2相当」になっている反面、療養者数、確保病床数の占有率などは「ステージ3相当」にあると紹介。「医療提供体制ステージ3をどうやって下げていくのかが問われている」と述べた。
小池知事の会見とほぼ同時刻の5日夜に行われた記者会見で菅義偉(よしひで)首相は1都3県について「ほとんどの指標が当初目指していた基準を満たしている」と指摘。一方、「病床の使用率が高い地域があるなど、依然厳しさが見られる。また感染者が減少傾向にあるものの、そのスピードは鈍化している。人出が増加している地域もあり、いわゆるリバウンドの懸念も高まっている」と語った。 小池知事は、「どうやってステージ2に抑え込んでいくのか、この2週間で進めていかなければならない。そのためには、私たちは改めて原点に立ち返って、徹底的に感染を抑え込むということが必要になってくる。そのためのポイントは3つある」と話した。 1つ目は、リバウンド(感染の再拡大)の恐れ。小池知事は「新規陽性者数は1月にピークを越したとはいえ、十分な水準にまで下がりきっていない。いつまた急拡大するのか予断を許さない。そして医療提供体制のひっ迫も長期間に及んでいる」と説明した。 2つ目は、変異ウイルスの拡大。小池知事は「より感染力が強いとされる変異株。他の県、地域でクラスターが発生するなど最大限の警戒が必要だ。変異株が広がった場合には、医療提供体制がひっ迫したままでは迅速な対応が取れないという課題がある」と述べた。 3つ目は、ワクチン供給。小池知事は「いつどれくらい入ってくるのか、まだまだ不透明感があるというのが現実。国からのワクチンの供給時期、量については不明確な状況にある。よって当面は感染しない、させたい、その行動でコロナと戦わなければならないというのが現状」と語った。 小池知事は、「なんのためにこれ(感染症対策)をやっているのかというと、みなさんの命、健康を守りためであり、それはひいては経済を守るためにもつながってくる。ここで集中して徹底して対策をやりきることが感染の収束に向けて極めて大きな意味を持つ」と強調。「変異株についても、この脅威に適切に対応して、ワクチンの円滑な接種を進めるためにも、医療従事者の負担を軽減していきましょう。この2週間、とても重要です。私たちの総力を結集してここでなんとしてでも感染を抑え込んでいく。そのためにも都民、そして事業者のみなさま方のご理解ご協力をお願いします」と締めた。
ステージ2は宣言解除基準?
「ステージ2相当」に抑え込むことを強調した会見だったが、記者から出た「ステージ2を達成は宣言解除の基準か」「ステージ2を仮に達成できても21日まで対策を続けるのか」といった質問に対して小池知事は「ステージ2というのは、まさに国が求めている。政府が定めているものに従っている」「国の方でそうやって定められている2週間だと理解している」などと回答するにとどめた。