洗い物に洗濯干し…「名もなき家事」が苦手な夫にイラッ。夫婦の家事分担の難しさ
名もなき家事や工夫にも関心を持ってほしい
ところでみなさんは、夫婦間の家事の役割分担をどのようにしていますか? 現在、我が家の家事分担は「できるときに、できる人がやる」制度です。まぁ、今でこそこんな風ですが、同棲をはじめた当初は「家事は私、大黒柱としてメインで働くのは彼(今の夫)」という古くから続く役割分担が、暗黙の中なされていました。私の両親も父は公務員で仕事一筋、母は専業主婦で家事育児一筋、だったのでそれが当たり前だと思い、「女性が家のことをやってなんぼ」という価値観が私の中には根強く居座っていたのです。 当時、私も教師として働いていましたが、夫は私より激務だったので、帰宅時間も私より遅く、「家事は私が全部やるしかない」と思っていました。なにより夫に一目ぼれして猛アプローチの末に彼女というポジションをゲットした私は、強烈な“恋の魔法”にかかっていたので、それはもう一生懸命に夫に尽くしていたのです。今となっては遥か遠い昔の懐かしい話ですが……(笑)。 ただ、恋人とは言え、やはり赤の他人。共同生活は思ったよりも大変でした。しかも、“恋の魔法”って永遠ではないんですよね……。一緒に暮らすと、恋愛も日常に変わっていくので、魔法も徐々に解けていきました。そして、魔法が切れる頃には私の中の溜まりに溜まった不満が一気に大噴火。「私ばっかり」「どうして私だけ」「毎日毎日洗い物に夕飯の支度……! もう大変なんじゃーーーーー!」と。そういったバトルを繰り返しながらも別れることはなく、結婚、出産を経て今の「できるときに、できる人がやる」スタイルが夫婦間に定着したという感じです。 しかし、分担すればまた新たな問題も出てきます。我が家のベランダは立地の関係で、しばしば強風にさらされます。洗濯物を干す際は意識して「風で飛ばされないように」ハンガーに洋服をかけるのですが、夫に飛ばされない干し方を伝えても、一言「忘れてた」と……。そして、洗った洋服は風で飛ばされ、洗濯をやり直すことに……。こういったことが一度や二度ではないんですよね。こういった些細な名もなき家事こそ覚えてほしいと思ってしまうのは私だけでしょうか。 2023年11月に東京都が「男性の家事・育児実態調査」(※1)の結果を発表しましたが、その結果に首がもげそうなほど頷きました。家事負担に関して、配偶者に対する不満はあるか、という問いに対して、夫の約半数は「特に不満はない」と回答。ところが妻は「自分が言わないとしてくれない」という不満が第1位だったのです。また、夫は「自分がやっている」「夫婦で分担している」と思っている人が8割弱いたのに対して、妻側は自分がやっていると思っている人が7割以上いたのです。夫婦間でめちゃくちゃ認識のズレが生じていることがデータに表れていました。家事や育児をやる人は増えているけれど、わかりやすい家事や育児だけでなく、「名もなき家事」「ちょっとした工夫やコツ」にも気がついて!というのが妻側の心理なのかもしれません。 まさに、そんなちょっとした家事の工夫やコツに気づいてほしいと思った出来事が我が家でもあったのです。息子のお迎えに行った後、ササっとカレーを作った私に「カレーおいしかったよ」と言って、先に食べ終わった夫が食べ終わった食器をシンクに。「できるときに、できる人がやる」に関してはフットワークが軽く、ありがたいなと感じることが多い夫です。 ※1:https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2023/11/21/25.html