パートで「年収110万円」です。10月から「社会保険」に加入する必要があると聞きましたが、“手取り”はどれだけ減りますか? 働き控えすべきでしょうか…?
厚生労働省 社会保険適用拡大特設サイト 社会保険適用拡大対象となる事業所・従業員について 例えば、年収110万円(月額約9万1660円)で、従業員が80人の子業で働いている場合、これまでは社会保険料を支払う必要はありませんでした。しかし、10月からは従業員が51人以上の企業の場合にも社会保険への加入が必須となるため、社会保険に加入し、自身で社会保険料を納める必要が生じます。
社会保険加入の場合の手取り額はどうなる
では、社会保険に加入した場合、どの程度の保険料負担になるのか試算していきます。 例えば、年齢38歳、年収110万円(月額約9万1660円)の人が社会保険に加入し、厚生年金と健康保険を自身で払うとしましょう。その際に図表2の標準報酬月額を参考に保険料を算出します。 図表2
全国健康保険協会 令和6年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表(東京都) 月の賃金が約9万1660円は、報酬月額8万3000円~9万3000円の範囲に収まります。つまり、標準報酬月額は等級4の8万8000円に該当するため、健康保険料は月額4391円、厚生年金については8052円となります。 合わせると毎月1万2443円の社会保険料負担となり、年間では約15万円の負担増です。
社会保険に加入するメリット
社会保険(厚生年金・健康保険)に加入することで毎月の経済的負担は増加します。しかし、加入することによって次のようなメリットもあります。 ・将来の年金が増える ・傷病手当金や出産手当金を受けられる 日本の公的年金制度は、2階建て構造となっています。これまで、配偶者の扶養に入っていた人は、1階部分にあたる国民年金に加入していたことになります。 しかし、自身で社会保険に加入することで、2階部分にあたる厚生年金にも加入することになり、将来受け取れる年金額が増加します。加えて、要件を満たせば「障害厚生年金」や「遺族厚生年金」も受け取れるでしょう。 図表3