「割安放置株」の汚名返上へ、SEMITECが掲げる還元方針
各種センサーを手がけるSEMITECの株価が急動意している(写真:SEMITEC提供)
低配当だったことなどから「割安放置株」とされてきた汚名をそそぐことはできるのだろうか――。電気機器メーカーのSEMITEC(6626)の株価が足元急動意し、1年ぶりとなる戻り高値を奪回する勢いをみせている。 同社は、自動車や医療など幅広い分野の制御系電子機器に内蔵される温度センサーを主に製造販売し、営業利益率10%半ばの好収益企業だ。5月14日に発表した2025年3月期の通期計画は、売上高240億3500万円(前期比6.0%増)、営業利益37億5000万円(同5.0%増)、純利益26億3500万円(同22.6%増)。前期の小幅減益から好転する見通しで、年間配当は7円の増配を実施する方針を打ち出した。 用途別で見ると、前期とほぼ同じ傾向が続く前提となっており、ハイブリット車(HV)やEV向けなど自動車分野で次世代品の引き合いが強く、中国など海外を中心に堅調。血糖値測定用など医療分野が北米を軸に中国でも拡大する見込みだ。家電・住設やOA分野は在庫調整一巡で上向くものの、産業機器分野は引き続き景気減速の影響で軟調傾向が続くとしている。
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古庄 英一