1980年代に登場し、いまもなお第一線のアウター Columbia(コロンビア)「Bugaboo Parka(バカブー パーカー)」を徹底解剖
先ほどお話ししたガート氏の理念、“オリジナルのアイテムやテクノロジーをつくっていく”ということと、たくさん子どもがいるような家庭では、アウトドアやレジャーで着るアイテムを買いそろえるとお金もかかります。
家族でアウトドアを楽しんでほしいという思いから、Bugaboo Parkaは非常に手に取りやすいプライスで発売されました。
これはもうひとつの理念、“適正価格へのこだわり”が非常によく反映されたアイテムだといえます」
現在もリリースされている名品Bugaboo Parka
1986~1990年代、Bugaboo Parkaは普段着としてはもちろん、スキーウエアとして着用する人も多かったそうだ、その汎用性の高さからさまざまな用途に用いられ、現在まで、そのデザインやギミックをほとんど変えることなくリリースされ続けているという。当時からすでに完成されたアイテムだったことがうかがえる。
ここからは現在リリースされているBugaboo Parkaを徹底解剖していこう。
「現在は『Bugaboo™ II 1986 Interchange Jacket(バガブー II 1986 インターチェンジ ジャケット)』という商品名で発売されていて、基本仕様や、特徴的な襟の高さ、ボックスシルエットは変わらず受け継がれています。
今シーズンのカラーはレトロな雰囲気のブルー、イエロー系にインナーのフリースはレッドの3トーンのものと、オールブラックの2色になります」
「ではこの40年ほどでなにが変わったかというと、素材になります。1980年代から現在ではフリースのクオリティが大きく向上しているのと、アウターにはColumbiaオリジナル素材の『オムニテック』を採用しています。
このオムニテックはColumbiaが独自に開発した防水透湿機能素材で、外部からの水の浸入を防ぎ、なおかつ激しい運動によるムレを最小限に抑える透湿性を発揮します。多層構造に透湿性の高いメンブレン[1]を採用し、ぬれ、ムレに強く、快適な着心地が実感できるというものになっています」
Bugaboo Parkaはアメリカでのブームから程なくして、1990年代の日本でも流行りとなった。それゆえ、懐かしいと感じる人も多いだろう。40年前につくられたインターチェンジという独自システムを搭載した名品は、時代を超えて語り継がれているということがこのBugaboo Parkaを見てわかった。 この冬や、その先のシーズンを考えると、手にいれるべきアイテムなのではないだろうか。 [1]メンブレン: 3層構造などの、機能ナイロン素材の生地と生地の間に入る膜状の素材。水滴の浸入を防ぎつつ、水蒸気は外に排出してくれるという性能を持つ。