交信不能のX線天文衛星「ひとみ」の現状 JAXA会見(全文1)分離の可能性
5ページ目に行きまして、繰り返しになりますけども、各局の運用のときに、特に姿勢、電源、通信、データ処理、温度分布についてどういう状態であったかというのを書かせていただいています。赤字が異常と思われるところになります。3月26日3時2分は、全てのデータをチェックしましたけども異常は見られませんでした。3月26日のマスパロマス2つ、それから3月26、ミンゲニュー局で姿勢異常、電源、発生電力低下、それから温度分布の異常というのが見られたというのが表にまとめているものです。
6ページに行きまして、通信不良と(※判別できず)発生が起こってから国内外のJAXAの追跡局を優先的に割り当てて、推定される「ひとみ」の軌道にアンテナを向けてコマンドを送信続けて、テレメトリの受信を今、試みているところで、その途中に4回の通信機会において電波を受信しています。残念ながらテレメトリの取得には至ってないんですけれども、電波を受信したということは、衛星がオンになって送受信機がオンになっているということだと、今は考えています。 その時刻の詳細を4つ挙げています。電波を受信した時刻と、受信した時間が書かれています。電波を受信した方向、時刻ですけども、JAXAの把握する限り、他の衛星が存在しないことを軌道情報などから確認しており、また、周波数等もその妥当性を考えて、この電波は「ひとみ」から発信された可能性が高いと今は考えております。全部の衛星について、情報がないものもありますので、完全というわけではないですけども、今持っている情報では発信された可能性が高いというふうに考えているということです。
電波を受信したというのはどういうことかというのが、7ページ目にちょっと絵を描かせていただきました。左側が正常時で、地上から電波コマンドを送ると、衛星側はそれを受け取って、衛星の状態をテレメトリというデータとして送ってくれると、これが通常行っている運用でございます。今回、4回、電波を受信したというのは、テレメトリ・データは来ませんでしたけれども、衛星側がオンになっていて、地上からのコマンドを受け取っていて、その電波を返していると、そういう状況です。