交信不能のX線天文衛星「ひとみ」の現状 JAXA会見(全文1)分離の可能性
電波の受信はできている
3ページ目にまいりまして、どんなデータが受信できていたかというのが色で分けておりますけれども、3ページ目の下の図に、USCと書いてありますのは内之浦局でデータを受信したもので、3月26日の午前3時2分まではテレメトリ・データを取得しておりまして、非可視、内之浦から見えないときのデータも全て受信しております。黄色のところで書いてありますのがマスパロマス局とミンゲニュー局でございまして、このときは軌道決定するための運用、これ、レンジング運用と言っていますけども、そこで行っておりましたので、リアルでの、リアルタイムでの運用というのは行っておりませんでした。ただし、運用中のデータに関しましてはHKデータとしましてデータを取得して、後日解析するという、そういう予定でございました。右側の赤で書いておりますミンゲニュー局のときに電波が受信できなくなったと、そういう状況でございます。
ページをめくっていただきまして、4ページ目ですけれども、「ひとみ」は、先ほど言いましたように初期機能確認フェーズで、いくつかの天体のほうに衛星が望遠鏡を向けまして観測をしているところです。これはすでに何十回とも行っている運用でございます。追跡管制時付ということで日付が入ってますけども、これは運用開始の時刻を書いておりまして、先ほどのような色分けで状況を書いております。衛星状態ですけども、内之浦局で運用していたときには正常でありまして、黄色の、赤のところで音信不通になりました。その後、4回、内之浦、勝浦局、あるいはサンチアゴ局で電波を受信しております。 データを解析のときに分かったことは、前回の説明会でお話ししましたように、太陽のプレゼンスがなかったこと、発生電力が低下したこと、温度分布が高いはずが、少し低くなっていたり、低いところが上がっていたという温度分布の変化がみられました。その部分の解析をしましたところ、姿勢異常というのが発生したのが、これはそのテレメトリ・データからの逆算で推定になりますけれども、3月26日の午前4時10分ごろに起こったと推定されています。 それから一番下になりますけども、JSpOCの情報から、3月26日の10時42分プラスマイナス11分ごろにブレークアップされた、ブレークアップ推定というのが、情報が来ているのは皆さまご存じのとおりかと思います。これについてはまた後ほど説明したいと思います。