父の遺品整理中「500万円」のタンス預金が出てきましたが、そのまま受け取って問題ないですよね? 兄弟の中で自分が父の「介護」をしていました
大切な家族が亡くなってしまうと、悲しみに暮れる間もなく「遺産相続手続き」をする必要があります。 ▼亡くなった母が私名義で「500万円」を遺してくれていた! 名義は自分でも「相続税」はかかる? 相続手続きを進めていく中でタンス預金が出てくることもあるでしょう。タンス預金も遺産分割の対象と考えられますが、亡くなった人の介護や日常のお世話をしてきた場合、そのまま受け取ってしまいたくなることもあるでしょう。 この場合は、他の遺族に報告せずにそのまま受け取っても問題ないのでしょうか? そこで本記事では、遺産相続手続きの際にタンス預金を発見した場合の対応について解説していきます。
タンス預金を発見した場合は速やかに他の相続人に報告しましょう
遺産相続手続きでは、被相続人(亡くなった人)の財産についてすべてを合計し、相続人(法律で定められた相続人)に分割する必要があります。そして、分割されて受け取った財産が一定額を超える場合は相続税の対象となるので、税金を支払わなければいけません。 タンス預金も被相続人の財産なので、遺産分割をする前に他の相続と合算しなければいけないことになります。万が一、他の相続人に報告せずに遺産分割をし、後からそのことがわかった場合は改めて遺産分割協議をしなければいけません。 この場合は、再度相続人全員の署名や押印が必要となります。時間と手間がかかってしまうので、タンス預金を発見した場合は速やかに他の相続人に報告するほうがよいでしょう。
タンス預金を報告しないことは相続税の支払いに影響が出ることも
タンス預金も相続財産に該当するので、タンス預金をそのまま受け取った場合は相続税の申告をする必要があります。被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10ヶ月以内に税務署に相続税の申告をしなければいけません。 相続税の申告をせずに、10ヶ月を経過してから相続財産があることがわかると、過少申告加算税や延滞税を支払わなければいけなくなりますので注意しましょう。 過少申告加算税は新たに納めることになった税金の10%相当額です。また、修正申告して納める税金が基から納めていた税金よりも多い場合、もしくは50万円以上多い場合は15%の税率で加算されます。 延滞税は原則として期限の翌日から2ヶ月以内は年7.3%、2ヶ月を超えると年14.6%です(令和3年1月1日以後の期間は延滞税特例基準割合+ 1%のいずれか低いほう)。 しかし、相続税には基礎控除があります。具体的には「3000万円+600万円×相続人の人数」です。 そのため、事例のようにタンス預金500万円を新たに申告したとしても相続税が発生する可能性は低いといえます。しかし、タンス預金を合算することで基礎控除を超えてしまった場合は、相続税が発生するので注意が必要です。速やかにタンス預金を相続財産に加え、基礎控除内に収まるのかを確認するようにしてください。