2つのプランで天皇杯決勝進出を決めたガンバ大阪は川崎Fに雪辱を果たすことができるのか?
来シーズンからセレッソ大阪を率いる、ブラジル出身のレヴィー・クルピ監督に率いられた2018シーズンのガンバは、一時は最下位に転落する不振に陥った。同年夏に急きょ就任した宮本監督に再建が託されるも、2015シーズンの天皇杯を最後に遠ざかっているタイトルには手が届かない。 ただ、今シーズンの陣容を見れば、好パフォーマンスを発揮し続ける東口がゴールマウスに君臨し、三浦、キム・ヨングォン、徳島戦は欠場だった昌子源と高さ、強さ、濃密な経験を兼ね備えたセンターバック陣が揃っている。だからこそ、現役時代はガンバおよび日本代表の最終ラインを担った宮本監督をして、お家芸だった往復ビンタの張り合いのような戦い方からの転換を決意させた。 ボールポゼッションを捨て去るような戦い方は、特に後半戦に入って顕著になってきた。改革の過程でガンバの伝統を担ってきた、レジェンドのMF遠藤保仁がJ2のジュビロ磐田へ期限付き移籍する痛みも伴った。しかし、ボール支配率とシュート数の両方で相手よりも下回る条件がそろいながら、唯一、勝利を手にすることができなかった90分間をガンバは11月25日に味わわされている。 川崎のホーム、等々力陸上競技場に乗り込んだ明治安田生命J1リーグ第29節。一瞬の隙を突かれて前半22分に先制点を、セットプレーから同終了間際に追加点を奪われたガンバは、前へ出ざるをえなくなった後半にカウンターからさらに3点を追加されてしまった。 攻撃陣も後半26分まで1本のシュートも放てなかった、0-5の大敗を喫した末に目の当たりにさせられたのは、4試合を残す史上最速のリーグ優勝を決めて歓喜する川崎の選手たちの姿だった。 「あの試合は本当に悔しかったし、目の前で優勝されたことも含めて、自分たちを奮い立たせるには十分すぎるほどの材料だと思っている。何としても川崎に勝って、借りを返したい」 頂上決戦で先発しながらシュート数0のまま後半24分にベンチへ退いていた宇佐美は、2021年の幕開けにめぐってくるリベンジの舞台での戦い方を、徳島との準決勝の延長線上に思い描く。 「自分たちがボールを支配して綺麗にというよりは、ボールを支配されたなかでどのような戦いを見せられるか。そういう部分が川崎相手にはより試されるし、勝負のポイントになってくると思う」