自分の強みを把握し、セルフブランディングで市場価値を高める秘訣
おまけ:自己肯定感を高めるには?
セルフブランディングを考えてみたい。その興味の背景には、自己肯定感を高めたいという思いがある人も多いようです。若いビジネスパーソンが自分に自信を持つのは、なかなか難しいこと。これについても澤さんからヒントを伺いました。 ◆自分の短所は把握しておくこと 視力検査の「C」みたいな形をした「○」が欠けているやつ、ありますよね。あれを「ランドルト環」っていうのですが、ほとんどの部分が○ですよね。「自分なんて」と思っている時というのは、欠けている部分に目がいっている状態だといえます。 だから、欠けている方が目についたら、○の方に目を向けましょうと、アドバイスしています。○の方をいかに大きくできるかが、人生の面白さだと思うからです。 僕自身、挫折もいっぱいしてきたし、コンプレックスだってたくさんあります。だけど、自分の短所は把握しておけばいい。そうすることで、短所じゃない方をどうしたら伸ばせるか、考えることができるじゃないですか。人から「ありがとう」って言われる部分を強化していくと、「自分なんて」はどんどん小さくなっていきますから。 僕の場合、「面白い話をする人」っていうブランディングができているので、自分から探しにいかなくても、周りが面白い話を教えてくれるんです。「澤さん、こんな話知ってる?」って。一度そうやってブランドが強固になると、自然と面白い話が入ってくる。だから、セルフブランディングって、自分の楽しいことがさらに楽しくなる好循環のことだと思っています。 今いる環境で、若いうちは裁量がないから、行動するのは難しいと思っている人も多いかもしれません。でも、それは案外、自分がそう思っているだけかもしれない。とりあえず1歩踏み出すだけで成長していくことって、結構多いんじゃないかと思います。
【澤 円(さわ まどか)氏 プロフィール】 株式会社圓窓代表取締役 立教大学経済学部卒業後、生命保険のIT子会社勤務を経て、1997年、マイクロソフト(現・日本マイクロソフト)に転職。情報共有系コンサルタントを経てプリセールスSEへ。最新のITテクノロジーに関する情報発信の役割を担う。2011年7月、マイクロソフトテクノロジーセンター・センター長に就任。業務執行役員を経て、2020年に退社。メディア出演も多く、『マイクロソフト伝説マネジャーの世界No.1プレゼン術』(ダイヤモンド社)など著書多数。
取材・文:多賀谷浩子 編集:馬場美由紀