飯田商店が「デニーズの担々麺」を監修する、意外と深い背景とは。ネットで度々バズるメニューだけど、一体なぜ清湯系のラーメンで有名な店が?
……という話は、過去の取材で筆者も聞いていたのだが、なるほど、それ以前にデニーズでのバイト経験があったとは知らなかった。 一方、デニーズで担々麺の提供を開始したのは1988年。一時提供を休止していた時期はあったが、2016年からはレギュラーメニューとして定着している。 デニーズを運営する、セブン&アイ・フードシステムズの取締役執行役員・北田玄さんは次のように語る。 「担々麺は発売当時から人気で、ずっとレギュラー化するべきだろうと言われてきたメニューでした。そもそもラーメンをファミリーレストランで初めて提供したのがデニーズで、担々麺はその中でも人気を引っ張ってきた商品です。
その中で、飯田さんの美味しいという一言も非常に大きく、今でもトップ10には必ず入ってくる商品です」(北田さん) ■セブン-イレブン「冷凍ラーメン」でも登場 そして、今年春にはコンビニのセブン-イレブンの冷凍ラーメンとしてもデニーズの担々麺が登場。デニーズは首都圏中心の出店なので、「デニーズのないエリアでも食べられるように」とコンビニコラボ商品をスタートした。 担々麺は、セブン-イレブンから見ても評価の高いメニューだったという。
「ファミリーレストランで提供する場合、店舗のオペレーションを着地点に味を構築していかなければなりません。お店でやれることを現実的に落とし込みながら味づくりをしていくんです。デニーズでのアルバイト経験が生きて、そのあたりはある程度わかったうえで商品開発をしていきました。 一方で、デニーズさんができるだけ私のオーダーに応えてくれたのは大きかったです。スープから動物系を抜くというのはある意味勝負だと思いますし、ここにかけてくれたのはありがたかったです」(飯田商店・飯田店主)
このメニュー専用の食材をふんだんに使用し、スパイス感とナッツの食感をとにかく大事にした。通常の担々麺とは比べ物にならないぐらいの種類の食材が使われているという。口内での仕掛けにこだわり、口の中でナッツが暴れる感じにとことんこだわった。 ■店主のこだわりをファミレスでどのように再現するか 有名シェフのコラボメニューをスタートさせたことで、デニーズには新たな客層が訪れている。それなりに高価格帯の商品にはなるが、高いという声は出ていない。