新幹線で絶品寿司…プロレスまで…!客が殺到する驚きの企画が続々
〇輸送以外で稼ぐ2~眠れる場所を生かせ 名古屋駅の在来線ホームに交渉の末、「人類みな麺類」という大阪の人気ラーメン店に出店してもらった。以前はホームではなく、線路が通っていた場所だったが、真下でリニアの工事が始まることになり封鎖になった。放っておくのはもったいないと、店舗を誘致したのだ。 客を飽きさせないよう、店は定期的に入れ替える。6月からは名古屋の人気居酒屋チェーン「世界の山ちゃん」と組み、ビアガーデンをオープンさせた。 「お店を(JR東海の施設に)出店していたので、いろいろ提案してきたのですが、今まで一度も通ったことがなかった。それがホーム上でいろいろできるのでありがたい。今までとは全然違います」(「世界の山ちゃん」運営会社「エスワイフード」・水野司さん) ホームでの企画を担当するグループ会社「名古屋ステーション開発」が今、注目するのは鉄道の高架下。踏切を減らし高架を増やした結果、スペースがたくさん生まれていると言う。現在はフェンスが張られ、立ち入り禁止となっている場所でやろうとしている実験がある。「街にする。高架下で人間が住める環境にできるか」(澤谷俊樹) 高架下に置かれた箱のような住宅では、グループ会社の社員が実際に暮らしたらどうか、試していた。「高架下とは思えないほど騒音や振動も少ないです」と言う。音の大きさを測ってみると、外は約79デシベルだが、家の中は54デシベルほどと、静かな事務所と同じくらいだ。 一方「歩道が目の前にあって人の目線が気になる。基本的にカーテンや雨戸を閉めている」という意見も。こうして課題を明確にし、一つ一つ潰していく。 「コロナ前までは『何を言っているんだ』と一蹴されて終わる空気だったが、今は自由に発想すれば聞いてもらえる。新しいことをどんどんやっていこうと止まらなくなっています」(澤谷) JR東海が保有する土地の資産額は上場企業の中でもトップクラスの約2兆3000億円。今後、大きなビジネスに化けるポテンシャルは十分だ。