新幹線で絶品寿司…プロレスまで…!客が殺到する驚きの企画が続々
輸送以外で稼ぐ~「推し活」&眠れるスペースの利用
〇輸送以外で稼ぐ1~「推し活」を旅に 愛知・豊橋市の動物園「のんほいパーク」。ステージ上、JR東海の企画に参加した客が拍手で迎えられて始まったのは、ゾウやキリン、サイなど、推し動物のオーナー「主」に認定されたというセレモニーだ。1年間の料金は30万円で、半分はエサ代などになる。 「主」は特典として普通はできない体験を何度も味わえるのだが、そのたびに新幹線にも乗ってもらえる。JR東海が考えた乗車を増やす企画だ。 同じ愛知・蒲郡市の「ラグーナテンボス」でもJR東海の企画にファンが列を作っていた。客のお目当ては「カプコン」の人気格闘ゲーム「ストリートファイター」のイベント。ここでプロゲーマーと対戦できるのだ。 「通常は東海地区を商圏にしていて、約8割が東海地区のお客様なのですが、今回はJR東海が関東、関西で広告していただけるということで、遠方からの集客が見込めます」(「ラグーナテンボス」取締役・近藤孝さん) こうした「推し活の旅」を開発しているのが営業本部需要創出グループの伊藤悟のチーム。この日は静岡・沼津市にやってきた。アイドルを目指す女子高生のアニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」の舞台だ。 ファンにとって沼津は聖地。そこでJR東海はファンを現地に呼び込もうと、さまざまな仕掛けを打ち出しているのだ。干物店「横屋」は商品を買った客にオリジナルグッズを提供するキャンペーンに参加した。 「当時は『推し活』の仲間と来ていた人が、『彼女ができたよ』と連れてきてくれた。『ラブライバー』たちとの距離が近くなりました」(「横屋」店主・佐藤のり子さん) 2021年に動物の「主」から始めた「推し旅」は今や100種類を数えるまでになった。 ファンから支持されるのには理由がある。担当者たちも「推し活」が大好きなのだ。中には自ら手を挙げて別の部署から異動してきた社員もいる。以前は車両のメンテナンスを担当していたという社員は「純粋に楽しむファンの立場ではないので難しいことはありますが、コンテンツが完成してファンが楽しむ様子を見ると充実感があります。半分趣味、まさに『推し事』です」と笑った。