開催迫るG20大阪サミット、G7とは何が違う? 坂東太郎のよく分かる時事用語
日本が初めて議長国を務めるG20首脳会議(大阪サミット)がいよいよ今週末に迫ってきました。そこで今回は「そもそもG20とは?」「G7とは何が違うの?」という基本的なところを解き明かしてみました。
G20とは何か?
主要20カ国・地域を示すグループ(その略がG)です。世界にはさまざまな国際的な協議の場がありますが、そのなかでも最大級のものと認識されています。 他の協議の場との関係は以下の通りです。※は複数の協議の場に属する国に付しました。番号は単に1から20をわかりやすくするためであり、何かの順番ではありません。 ・主要7カ国(G7) 1アメリカ 2イギリス 3フランス 4日本 5ドイツ(旧西ドイツ) 6イタリア 7カナダ ・国連安全保障理事会常任理事国 1アメリカ※、2イギリス※、3フランス※、8ロシア(旧ソ連)、9中国 ・BRICS(代表的な新興国) 8ロシア※ 9中国※ 10ブラジル 11インド 12南アフリカ ・アジア太平洋経済協力会議(APEC)参加国 1アメリカ※ 4日本※ 7カナダ※ 8ロシア※ 9中国※ 13韓国 14オーストラリア 15メキシコ 16インドネシア ・東南アジア諸国連合(ASEAN) 16インドネシア※ ・その他 17アルゼンチン 18サウジアラビア 19トルコ 20欧州連合(EU) なお、「その他」とした国のうち、アルゼンチンはブラジルとともに南米南部共同市場(メルコスール)の主要参加国。サウジアラビアは石油輸出国機構(OPEC)の中心的存在で、EU加盟申請中のトルコは「先進国クラブ」などと別称される経済協力開発機構(OECD)加盟国です。EUは存在自体が国際機関となります。 G20の名が最初に歴史に刻まれたのは、1999年末開催の20カ国財務大臣(財政を担う)・中央銀行(金融政策を担う)総裁(=トップ)会議。それまでG7は国際金融システムを取り仕切る役割を担い、実際に取り仕切っていたのですが、97~99年に連鎖的に発生したアジア、ロシア、ブラジル通貨危機に迅速に対応することができませんでした。こうした事態を受け、99年6月のG7財務大臣・中央銀行総裁会議で、新興国も含めた意見交換の場が必要との認識で一致し、初会合へとこぎ着けました。以後、このG20財務大臣・中央銀行総裁会議は毎年開かれるようになるのです。 各国トップ(大統領や首相など)が集まる首脳会議も併せて開かれるようになったのは2008年からのことです。後述するリーマン・ショックに基づく世界金融危機への対応のためでした。首脳会議は09年と10年は年2回、以後は年1回のペースで開催されています。