エヌビディア、驚異の59万1078%リターン-時価総額世界一までの道
ザックス・インベストメント・マネジメントのクライアントポートフォリオマネジャー、ブライアン・マルベリー氏は、「経営陣には多大な称賛を与えなければならないと思う。彼らはハードウエアの革新の波を完璧に捉えている」と述べた。
エヌビディアは熱いスタートを切った。
株式市場へのデビューからS&P500種に採用されるまでの間に、株価は1600%余り上昇し、時価総額は約80億ドルに達した。2000年3月にピークを迎えたドットコムバブルの余波で、他の多くのテクノロジー株が急落していた中での上昇だった。
初期の成功の鍵は、エヌビディアの技術がマイクロソフトの「Xbox」やソニーの「プレイステーション」などのビデオゲーム機に搭載されたことだった。エヌビディアの画像処理半導体(GPU)「GeForce」は、常に最もリアルな体験を提供することから、ゲーマーの憧れとなった。
エヌビディアIPOで買い手だったウェイブ・キャピタル・マネジメントのチーフストラテジスト、リース・ウィリアムズ氏は、フアン氏が「常に優れたコミュニケーターであり、優れたストーリーを語り、明らかにGPUの重要性が増していた」と振り返り、「ハードウエアが世代を重ねるごとに、性能が向上し、よりリアルな映像が得られるようになり、パソコン(PC)ゲームが本格的に普及した」と述べた。
その後の6年間は、エヌビディアに優しくはなかった。金融危機の影響で需要が弱まり、08年に株価は急落。
また、エヌビディアとインテルの間で結ばれていた互いの能力を利用し合うという取り決めが破綻し、エヌビディアは最大の市場の一つから退場せざるを得なくなった。両社は11年に和解し、インテルはエヌビディアに15億ドルを支払うことで合意した。
翌年、エヌビディアはデータセンター内のサーバー向けグラフィックチップを発表した。この半導体は、石油・ガス探査や気象予測などの高度なコンピューティング作業に役立ち、エヌビディアに有利な市場への足掛かりを与えた。