注目のオルタナティブ・ロック・バンド、ニューダッド(NewDad) ピクシーズやザ・キュアーからの影響を語る
――勇気づけられたリアクションはありましたか。
ジュリー:インターネット上では、些細なことで過剰な反応を示されることが多くて残念に思います。でも、私たちのファンは本当に優しい。特にアイルランドの人たちは、今回のことでさらに応援してくれるようになった。何か新しいことを始めようとすると、反対意見が生じることは避けられない。でも、そんなの気にしなくていいと思うんです。大切なのは、本当に私たちのことを応援してくれる人たちなんだから。
――そうしたある種のポリティカルな視点も、今作っているアルバムに反映されそうですか。
ジュリー:うーん、それはないと思う。私自身、特に曲作りに関してはそういうことを言葉にするのに自信がないというか、自分が感じたことや個人的な経験しか表現できない。でも、いつか自分の音楽でそういうメッセージを伝えられるようなソングライターになりたいと思います。だから今はまだ、自分の内面と向き合ってる感じかな。
――改めて、次のアルバムはどんな感じになりそうですか。
ジュリー:もっとアコースティックな感じで、フォークっぽい曲が多いかな。「Modra」みたいに重たい感じじゃなくて、もっと軽やかで明るいサウンドになると思う。今、もう一人の新しいソングライターと一緒に仕事をしていて。彼はチェロ奏者でありながら素晴らしいギタリストで、彼が弾くアコースティックギターの音色が素晴らしくて、楽曲に心地よい響きや温かみを添えてくれています。だから「Madra」が深い海の底みたいな感じなら、次のアルバムは春の小川みたいに清澄というか、そんなイメージかな。
――アイルランドといえばトラッド・ミュージックが盛んですが、そうしたアイリッシュ・フォーク的なものもジュリーさんのルーツにあるのでしょうか。
ジュリー:いえ、個人的にはそれほど聴いてなくて。アイルランドでは小さな子供はみんな、ティン・ホイッスル(※アイルランドの伝統的な笛)を習うんだけど、フィアクラ(Dr)は歩けるようになる前からアイリッシュ・ミュージックに触れて育っていて、そうした影響がニューダッドの音楽にも出ているところはあるかもしれない。ステージでバウロン(※アイルランドの伝統的な打楽器)を演奏することがあるのも故郷へのリスペクトからで、そういうつながりがあるのは大切なことだと思います。
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