“父子家庭”育ちの女子大学生が「地域の交流の場」で活動 地域の住民に育ててもらった経験を生かして奮闘 もうすぐ卒業、就職先は家庭で育てられなくなった子どもを預かる乳児院
親子の居場所です。地域のつながりが薄れる中、長野市では寺を「地域の居場所」にする取り組みが行われています。参加する女子大学生の一人は父子家庭育ち。地域の中で育った自身の経験を生かそうと奮闘しています。 続々と寺に集まってくる子どもたち。本堂に元気な声が響きます。ここは長野市南堀の長命寺。 毎月第3土曜、子どもたちや保護者、地域の住民が無料で参加できる催しが開かれています。イベント名は「みちくさ」。 県立大学4年・竹村愛美さん: 「『道草を食う』という言葉があるように、誰でも気軽にふらっと立ち寄れるようにと」 県立大学4年の竹村愛美さん。2022年のスタートから活動を支えています。 県立大学4年・竹村愛美さん: 「いろんな人が交じり合えるような空間をつくっています。核家族化が進むと、家の中で孤立しちゃうことを聞き、そういったことも防ぎたいと」 「みちくさ」を発案したのは寺の衆徒・西村恵里さん(58)。地域の交流が極端に減ったコロナ禍、地域の居場所として寺を活用したいと考えました。 長命寺 衆徒・西村恵里さん: 「一言でいうと『みんな来て』という思いなので、イベントはやるが、本来はイベントがなくても立ち寄れる、あそこに行けばなんとなく安心して親も子も安心して来られる場所でいたい」 同じようなことを考えていたのが、住民の近藤宏美さん(63)です。夏休み、子どもたちが集まってラジオ体操をする寺。近藤さんも交流の場として活用できるのはと考えました。 近藤宏美さん: 「世代間交流ができればいいなと、長命寺に頼んでみようかなというのがきっかけで」 考えが一致した2人。「寺を地域の居場所にしよう」と動き出します。まず仲間を集めることに。 長命寺 衆徒・西村恵里さん: 「子どもの居場所をつくるにも、どうしても大人だけでは発想に限界がある。私たちとの緩衝材、子どもたちが思い切り遊べるのが大学生かなと」 声を掛けられ、参加したのが、ボランティア団体に所属していた県立大生の竹村さん。2人のアイデアに共感したのには訳がありました。
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