なぜ?40年東大合格者NO.1の開成を蹴って「都立日比谷」に進む生徒が増えている…中学受験激化による地殻変動
「40年以上東大合格者1位」の開成高校
こうした背景から、1960年代には200人近かった日比谷高校の東大合格者は10年もしないうちに30人を下回るようになり、82年に学校群制度が廃止されてからも低迷は続くことになります。90年代に入るととうとう1桁で推移するようになり、93年にはなんと「1人」にまで減ってしまいます。かつての絶対王者の面目は完全になくなってしまったのです。 都立高校が地盤沈下していく中、メキメキと需要と進学実績を伸ばしていったのが私立中高一貫校勢力です。 日比谷が不動のトップから陥落し、東大合格者数ランキング1位に君臨するようになったのは、みなさんご存じの開成高校です。開成は1982年以降、40年以上にわたって東大合格者数全国1位の座を守り続けています。 ちなみに1950年代以前の開成は、同じく御三家の麻布高等学校などと比較して大きく後れをとっていました。しかし、1960年度に高校募集を設け(定員50人)、当時は中学受験組より優秀だと言われた高校受験生の上澄みを回収したことで勢いをつけ、そこから飛躍的に進学実績を伸ばしていくことになります。 学校群制度の影響で都立高の不調が目立ち始めた77年には東大合格者124名を叩き出し、初めて全国トップの座に躍り出ます。これ以降、首都圏のトップ中学受験生300人とトップ高校受験生100人の計400人の精鋭たちが毎年集い、目の覚めるような進学実績を残しています。
東大へは中高一貫私立高が優位に
2023年と1963年の東大合格者数ランキングを見ていくと、かなりの違いがあることがわかります。 61年前には都立高校メインだった顔ぶれが、中高一貫私立校メインへと様変わりしています。61年前は開成は44名とトップ10には入れず、都立上野や都立小山台と肩を並べています。 いかに学校群制度の影響が大きかったかおわかりになるでしょう。当時の都立高校卒業者(今の70代以上)はいまだに都立高校信仰が強く、昨今の中高一貫校至上主義に難色を示している方が多い印象です。
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