ジル サンダーが初のギャラリーを設置。レイチェル・ホワイトリードの作品を常設
2017年からルーシー&ルーク・メイヤーがクリエイティブ・ディレクションを担い、洗練されたミニマリズムで人気を博すジル サンダー(JIL SANDER)。その過去最大となる旗艦店が銀座3丁目にオープンした。 日本国内21店舗目となるこの店舗は2フロア構成で面積は627平方メートル。ロンドン・ボンドストリートの旗艦店に続き、世界的な建築設計事務所であるカスパーミュラー クニアー アーキテクツ(Casper Mueller Kneer Architects)とのパートナーシップによる、2つ目の店舗だ。 店内には天然素材や再利用素材が積極的に取り入れられており、経年変化を楽しめるようにデザインされた。大きな特徴は、床に広がる大判のイタリア産トラバーチンだろう。自然が生み出した唯一無二の模様を有するこの鉱物的な地表は2フロアにわたり広がっており、階段と壁も同様に、トラバーチンのシルバーブルーが空間を演出している。 このトラバーチンは、自然な風合いを活かした石材や優美なカーブを描く真鍮素材、深みのある色合いの木材、そしてCDケースから再生されたプラスチックが素材の什器など、すべてと落ち着いたハーモニーを見せる。 もっとも特筆すべきは、ジル サンダーにとって初となるアートのためのエキシビションスペースだ。店内1階のもっとも目立つ場所に配置されたこのスペースには、イギリスの彫刻家レイチェル・ホワイトリードの作品《Bergamo II》が常設されている。 ホワイトリードは今回の展示について、「私の作品が展示され、この美しくデザインされた銀座の旗艦店の建築の一部となることをたいへん光栄に思います」とのコメント。作品と建築デザインとが完璧な調和を見せている。 プロダクトを販売するだけでなく、空間に身を置く「体験」そのものを提供する今回の新たな試み。ジル サンダーはこのエキシビションスペースを皮切りに、グローバルでもアートやカルチャーへのコミットメントを強化するという。