“ホークス出身の新星”再び誕生となるか…中日移籍の左腕、三浦瑞樹に期待大!「しっかりと見返していきたい」という負けん気も魅力
もし他球団からオファーがなかった場合は、“腹をくくる”つもりだった
そうしたバックアップの役割に甘んじたくなかったという三浦の気持ちも、痛いほど分かる。 仮に他球団からのオファーがなかったら「もう1年、腹をくくって、ホークスと契約をしようかなと思っていた」と悲壮な心中も吐露した上で「“争い”ができたのが、自分の中ではすごくよかったというのがある。その他の選手たちとの争いがあったから、今の自分があるのかなと思います」と古巣への感謝も忘れない。 そのソフトバンクから新天地に移って、活躍しているケースは増えている。一昨年の現役ドラフトでソフトバンクから阪神に移籍した左腕・大竹耕太郎は移籍後の2年間で連続2桁勝利、FA移籍の近藤健介の人的補償で日本ハムに移籍した田中正義も、ストッパーとして活躍中。野手でも、昨年の現役ドラフトで日本ハムに移籍した外野手の水谷瞬はセ・パ交流戦のMVPに輝き、オールスターにも出場するなど大ブレークした。 「そういう(大竹や田中からの刺激の意)のはあまりなかったんですが、ホークスの選手の中にも『見返してやれ』という風に言われて、今も言われているので、しっかりと見返していけたらな、というのは思っています」 その負けん気も“買い”だ。博多から名古屋へ。また新たな“鷹出身の新星”が生まれそうな予感がする。 喜瀬雅則(きせ・まさのり) 1967年、神戸市生まれ。スポーツライター。関西学院大卒。サンケイスポーツ~産経新聞で野球担当として阪神、近鉄、オリックス、中日、ソフトバンク、アマ野球の各担当を歴任。産経夕刊連載「独立リーグの現状 その明暗を探る」で2011年度ミズノスポーツライター賞優秀賞受賞。産経新聞社退社後の2017年8月からは、業務委託契約を結ぶ西日本新聞社を中心にプロ野球界の取材を続けている。著書に「牛を飼う球団」(小学館)、「不登校からメジャーへ」(光文社新書)、「稼ぐ! プロ野球」(PHPビジネス新書)、「ホークス3軍はなぜ成功したのか」、「オリックスはなぜ優勝できたのか 苦闘と変革の25年」、「阪神タイガースはなんで優勝でけへんのや?」、「中日ドラゴンズが優勝できなくても愛される理由」(以上いずれも光文社新書) デイリー新潮編集部
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