外国人旅行者が“子供の頃から憧れていた”日本で「感動したこと/残念に感じたこと」
辺境の地方都市で孤軍奮闘
人口約1145万人を擁するサンパウロは南アメリカ最大の商業都市だ。ブラジルの文化や経済に関する情報やイベントはこの街に集中している。そんな中心地から遠く離れたフォルタレーザに住むヒベイロさんの近辺で、いま日本の特撮ヒーローに変わらぬ情熱を注いでいる同志はわずかだという。 近年の日本アニメの爆発的な人気にもかかわらず、特撮ヒーローファンが再び増える兆しは伺えない。この度の日本旅行は、愛する特撮ドラマについて、ブラジルにいては解り得ないことを追求するのが主な目的だった。しかし、日本で撮った動画や写真などを独り占めするのではなく、知り得たことや特撮の現在地をブラジルの特撮ドラマ系YouTuberに託してファンの輪を広めたいのだという。 たかが子供向けの特撮ドラマと蔑む人もいるだろう。しかし、こうした草の根で日本文化を広める日本好きの外国人がいることと、ソフトパワーとしての文化の持つ力がいかに日本と各国の相互理解に有益かを認識し、評価すべきだろう。 ヒベイロさんは、再び日本に行ったら今回とはまったく異なる特撮の情報が得られると確信している。具体的な再渡航の計画はないが、ブラジル辺境の地方都市で再び日本を訪れる夢を温めている。 <取材・文/仁尾帯刀(海外書き人クラブ/ブラジル在住)>
日刊SPA!