神戸、ホーム快幕星 阪神大震災から30年「復興のシンボル」地元の思い胸に/リーグワン
リーグワン1部第2節最終日(29日、神戸36-18横浜、ノエビアスタジアム神戸)神戸がホーム開幕戦で横浜に快勝し、今季初白星(1敗)を挙げた。堅いディフェンスで相手に圧力をかけて攻撃につなげ、6トライを奪った。横浜は2連敗。 阪神大震災から30年となる、特別なシーズンのホーム開幕戦での今季初勝利。最大10点差を試合終了間際に逆転負けした前節の静岡戦後は厳しい表情を崩さなかったデイブ・レニー・ヘッドコーチは上機嫌で試合を振り返った。 「けっこうハッピーです。ディフェンスがよかった」 2022年のリーグワン開幕後の神戸のホストゲームとしては最多となる1万5292人の観客の前で選手たちが燃えた。 キックオフ直後からわずか2分、敵陣ゴール前のラインアウトからモールで押し込み、HOジョージ・ターナーが先制トライ。19分にはFLヴィリー・ポトヒエッターが相手ボールを奪い取ると、そこから連続攻撃を仕掛けてWTBアタアタ・モエアキオラが追加のトライを奪うなど終始ディフェンスで圧力をかけ、6トライを奪った攻撃につなげた。 指揮官は「仕留めなければいけないところで仕留めることができた。ディフェンスで一番大事なのは最終的にトライを取り切れるかだ」とうなずく。 前半40分に相手にトライを奪われた際には、ゴールを狙ったSO田村優に向かって全員が全力で走り込んで圧力をかける勝利への執念も見せた。 SO李承信・共同主将は「誰かが『行こう』と指示したわけではない。全員の勝ちたい気持ちが表れたシーンだった」と胸を張った。 この日の観客数が示すように復興のシンボルでもある神戸に期待するファンは多い。 「誰を代表して戦うのか、チーム全員が理解している。1万5000人の前で勝利できたのはうれしく思う」と李共同主将。次節は昨季の王者、BL東京と対戦。神戸の街のため、負けられない戦いが続く。(月僧正弥)