断熱等級5の100平米の家「結露や温度差の悩みがなくなった」。都内の旗竿地&住宅密集地ならではの工夫も 東京都中野区・Aさん家族【断熱新時代・住宅実例】
住まいに求めることは、日当たりの良さや便利な生活動線、暮らしやすい間取りなど多岐にわたりますが、近年は家づくりで気密性能や断熱性能を重視する人が増えつつあります。高気密・高断熱の住宅は、冷暖房効率の向上による光熱費の削減や室内温度差の解消によるヒートショック防止、結露やカビの抑制など、快適性と健康面で多くのメリットに期待できます。 取材したのは、2022年に東京都内で高気密・高断熱住宅を建てたAさんご家族。以前のお住まいで結露や温度差に悩まされた経験から、見えない部分にこそお金をかけたいと考えるようになったそうです。実際に暮らしてみて感じた高気密・高断熱住宅の快適さや予想外の効果についてお聞きしました。
大開口、大空間でも高気密・高断熱を実現
Aさんご家族のお住まいは、1階がリビング・ダイニング・キッチンの一間。リビング部分は小屋裏まで吹き抜けになっています。玄関とLDKの間には扉はなく、吹き抜けには大開口の窓が。2階、小屋裏に上がる階段にも扉はなく非常に開放的ですが、断熱性能を表すUA値は「0.51」とZEH水準(※)を上回っています。夏は1階と小屋裏に設置したエアコン2台、冬は床下エアコンだけで快適な温度を維持できるといいます。 ※地域区分6において断熱等級5以上にあたる値 「冬は床下から暖めて、夏は上から冷気を下げていますので、頭がほてったり、足下が寒いということもありません。真冬でも、エアコンをつけなくても18℃から19℃、床下エアコンをつければ21℃前後。夏は、リビングの14畳用エアコンと屋根裏の10畳用エアコンだけで25℃ほどに保てます」(夫)
※HEAT20…「20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会」のこと。住宅外皮水準のレベル別にG1~G3と設定し、提案している
Aさん邸の間取り図。1階は25畳を超えるLDKのみのワンルーム。リビング部分が3階まで吹き抜けになっている開放的な住まい。
1階の収納の中に設置された床下エアコン(右下の薄く白い機材)。冬場は床下への送風だけで家中が暖かいという。
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