断熱等級5の100平米の家「結露や温度差の悩みがなくなった」。都内の旗竿地&住宅密集地ならではの工夫も 東京都中野区・Aさん家族【断熱新時代・住宅実例】
小屋裏に設置されたエアコン。夏場はダクトで2階と小屋裏に冷たい空気を送る。
気密性や断熱性を高めるうえで、大開口の窓や大空間の間取りがハードルになることはなかったのでしょうか?施工したジェネシスの森さんは、次のように話します。 「大事なのは『部屋と部屋』ではなく『外と中』です。部屋の中を区切って気密性・断熱性を高めるのではなく、高性能な断熱材やサッシ、窓などを採用して家全体の気密・断熱を高めることができれば、大開口・大空間であっても家の中の温度を一定にすることができます」(森さん)
断熱材には吹付硬質ウレタンフォーム、サッシは樹脂サッシ、窓はLow-E複層ガラス、換気システムは第一種換気の全熱交換型を採用。南側には大開口の窓があるものの、家全体の開口率が高いわけではなく、窓をつける場所や大きさにメリハリをつけることで高気密・高断熱を実現したのだといいます。 「もう少し窓を増やそうかという話も出たのですが、この土地は旗竿地で、住宅密集地。景色が抜けている場所に大きな窓があれば開放感はあるので、他の部分の窓は最小限にしました」(夫)
見えない部分こそが大事! 高気密・高断熱住宅を建てた理由とは?
家探しを始めた当初は、分譲マンションや建売住宅も検討していたそうです。しかし、予算内で満足できる物件が見つからず、土地から購入して注文住宅を建てることに決めたといいます。 「最初は注文住宅なんて考えてもいなかったんです。高そうだし、大変そうだし」と妻。それでも、実際に土地を見に行き、YouTubeなどで高性能住宅の良さを知ったことで徐々に気持ちが変化し、工務店を選ぶときには高気密・高断熱の住宅を建てられることがマストの条件になっていたといいます。 「注文住宅を建てようと言い始めたのは僕なんです。深く考えず勢いで言ってしまったところもあったので、難しそうだし諦めたほうがいいかなと思うこともありました。でも、気がついたら妻が注文住宅や住宅性能にかなり詳しくなっていて。最終的には、妻のほうがこだわっていましたね」(夫) 「以前は築40年くらいのマンションに住んでいたため、とにかく結露がひどくて。夏はエアコンをつけると寒いし、消すともう寝られないほど暑い。こういったことに長年悩み続けてきたので、解消したいという思いがありました。窓の周りの壁は黒ずんでいたりしたんですよ。これだけ結露していたら、絶対に躯体にも影響があるじゃないですか。大金を出して長く住む家を建てるなら、見えない部分にこそお金をかけないとダメだと思ったんです」(妻)
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