断熱等級5の100平米の家「結露や温度差の悩みがなくなった」。都内の旗竿地&住宅密集地ならではの工夫も 東京都中野区・Aさん家族【断熱新時代・住宅実例】
意図していなかった効果も?! 高気密・高断熱住宅に住んで変わった暮らし
これまで家にいることは少なく、アウトドア派だったといいますが、この家を建ててからはおうち時間が増えたのだとか。 「あまり意識していませんでしたが『快適』ということが大きいんでしょうね。以前は『暑い』『寒い』と感じることも多々ありましたが、今は良い意味で温度や湿度を考えなくなりました。でも考えてみれば、以前は窓からの冷気が寒くて冬は『お布団から出たくない!』という感じだったのですが、今はまったくありませんね。冬の布団は一枚減りましたし、真冬でも薄手のシャツ1枚で過ごせています」(妻) 家の中で最も気に入っている場所は、キッチン。前の家ではキッチンに熱がこもり、毎朝のお弁当づくりに苦労されていたそうですが、高気密・高断熱の効果で夏も快適にお料理できているといいます。また、ダイニングテーブルを兼ねたコの字型のキッチンとしたことで動線も良く、料理をしながら家族と会話できるところも気に入っていると話します。
「僕は逆に、すごく温度を気にしています。でもそれは不快だからではなく、この外気温でもこれだけ快適な温度を保てているということを実感したいからです。もはや気密・断熱が趣味のようになっています(笑)」(夫) 注文住宅は、工務店やハウスメーカーに丸投げしてつくってもらうものではありません。夫が趣味になったとまで話す理由は、細部までこだわりつくしたからこそ。家が完成してからも、屋根裏から冷気を送るダクトを配備したり、家の中の温度を一定にするために風量や温度設定を調整したりと、試行錯誤を重ねたといいます。
ご夫婦は、高気密・高断熱にしたことで「意図せず得られた効果もあった」と話してくれました。 「前の家では、洗濯物を部屋干しすると臭いが気になっていたんです。今もランドリースペースに部屋干ししていますが、臭いも気にならず、厚手のものでもすぐに乾きます。前の家では、観葉植物もすぐ枯れてしまっていたんです。当時は理由がわからなかったのですが、今の家では植物たちも生き生きしているので、きっと空気が全然違うのでしょうね。 息子のアレルギー症状が改善されたのも、嬉しい変化でした。前の家ではアトピーや鼻炎がひどくて。それが、こっちに引越してから全く出なくなったんです」(妻) 国土交通省が公表している資料の近畿大学 岩前篤教授の研究によると、転居した住宅の断熱性能の高い家ほど、アレルギーや気管支ぜんそくなどの各種疾患が改善したというデータが報告されています。家の室温差が引き起こすヒートショックや結露によるカビ・ダニの発生も抑制されることから、高断熱住宅は家族の健康を守ることにも寄与すると考えられます。
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