愛知県、独自の緊急事態宣言も解除 大村知事「日常取り戻す」
26日午前に開かれた対策本部会議での大村知事による冒頭発言
愛知県は26日、県庁で新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開き、全国的な緊急事態宣言の解除を受けて、4月10日から出していた県独自の宣言も正式に解除した。大村秀章知事は県民、事業者の外出自粛や休業要請への協力に対して感謝を述べるとともに、「これからは社会経済活動を再開し、日常を取り戻さなければならない」として、施設の利用やイベントの開催などを段階的に緩和する指針を示した。 愛知県が新型コロナ対策本部会議 県独自の緊急事態宣言を解除へ(2020年5月26日)
イベント開催も段階的に緩和
会議で示された「愛知県新型コロナウイルス感染拡大予防対策指針」では、段階的緩和の時期を国の目安と合わせて6月18日までの第1段階、6月19日から7月9日までの第2段階、7月10~31日の第3段階とした。イベントは第1段階の時期で屋内の収容率50%以内か人数上限100人、屋外は十分な間隔をとるか人数上限200人が基準。第2段階で屋内、屋外の人数上限を1000人、第3段階で5000人と緩和し、8月1日をめどに人数上限なしとする。 また、国の専門家会議が示した「新しい生活様式」の実践例に加え、少人数や短時間での買い物、混雑時のスーパーの入場制限などの「あいちの『買い物ルール』」や、散歩・ジョギングなども少人数で行う「公園利用のお願い」もあらためて呼び掛けた。
新型コロナ専門病院の設置も計画
学校・教育面では学習の遅れを取り戻すため、25日から再開している県立学校で民間のオンライン学習支援サービスを導入、6月からの利用開始を目指す。インターネット回線の増強や児童生徒用のタブレット端末、教員用のモバイルルーター配備なども進めて、オンラインの学習環境を整備する。 医療面の対策では、入院病床を感染症指定医療機関とその他の協力医療機関で計70病院500床、軽症患者らが療養する宿泊施設は1300室を確保した上で、新型コロナ専門病院の設置を計画中だと表明した。これについて大村知事は会議後の会見で「詳しくは言えないが、既存の施設を活用するものになるだろう」と述べた。 会議の参加者からは「愛知が東京や大阪に比べて感染者を押さえられたのは、たまたま運が良かったからだ」と気を引き締めるような意見や、「患者の個人情報漏れや、遊園地の再開時期をめぐる行き違いなどの課題や問題点もあった。なぜ起こったのか、きっちり検証するべきだ」との指摘もあった。 大村知事は記者会見で「愛知では早い段階でクラスター対策をしっかりやったこと、夜の街や製造業の工場群などから大きなクラスターが出なかったことなど、複合的な要因で東京、大阪に比べて感染が広がらなかったのでは。それらを一つひとつ検証して、次の第2波が来ないように準備していきたい」と述べた。 (関口威人/nameken)