立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末
斎藤元彦氏(47)が知事再選を果たした兵庫県知事選の最中、候補者の一人だった「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首(57)が県議会調査特別委員会(百条委員会)の奥谷謙一委員長(39)の自宅前で行った演説の様子がネットで拡散され、SNS上で《これはひどい》《恐ろしい》といった声が飛び交っている。 【写真】“ほぼ全裸ポスター”は制度を悪用? 過去にもあった「公序良俗ギリギリ」のきわどいポスター 18日の会見で、奥谷氏は「私の自宅兼事務所なんですけれども、家の前で(立花氏が)街頭演説を始めた」と言い、続けて「『引きこもってないで家から出てこいよ』みたいなことを言ってたんですね。立花氏の認識として、事務所と登録していますけど、私の自宅であるという認識は彼にはあったということは、これは明白であります」と説明。恐怖を感じた母親が「避難」したことも明らかにした。 これに対し立花氏は19日、動画を公開。「奥谷については全く反省していないようなので裁判していきます」と提訴する考えを示した上で、「自宅前で演説したんじゃない。事務所前でやったんですよ。彼の事務所の住所を調べて行ったら、そこが自宅だっただけの話。選挙の演説しただけ」などと反論した。 ネット上では《たとえ演説であったとしても、何らの法規制が必要だ》《いや言論の自由だ》などと賛否両論の意見がみられるが、今回の立花氏の行為をめぐって「そっくり」「前例」などと指摘する投稿がみられるのが、2014年7月、当時の橋下徹・大阪市長(55)が市内で行った街頭タウンミーティング(TM)の演説だ。 ■発言力ある政治家が自宅前や自宅近くで名前を連呼 発言はこんな内容だった。 「このすぐ近くに前平松市長が住まれているわけじゃないですか。平松さ~ん。ちょっと来て下さいよ。外からばっかり僕の文句ばっかり言ってね。橋下は市長としての役目を果たしてないとか色々言ってますけど、これだけは言わさせて下さい。ほんとにね、平松さ~ん。あなたは、ほんとに全く市長の仕事をしてませんでしたね~」 平松市長とは橋下氏と市長選で争った平松邦夫氏(76)のことで、平松氏はその後、橋下氏のTMの発言などで名誉を傷つけられたとして、橋下氏を提訴(一審、二審ともに原告敗訴)。平松氏の政治団体「翔の会」(すでに解散)のホームページには、14年のTMの様子についてこう記述している。 「タウンミーティング(以下TM)と称し、私の自宅マンションの前で、『すぐ近くに住んでいる』としたうえで、『平松さんは何も仕事をしていなかった。この近くに住んでいるんですよね。平松さーん、出てきてください。公開討論しましょう』などと、拡声器を使って大きな声で、多くの聴衆の前にして得意気に演説している姿をネットで確認しました」 「私は、その際自宅におらず、後からそれを聞いて、橋下氏に憤りを感じましたが、ぐっと我慢し、やり過ごしました。しかし、その際に在宅していた私の妻は、季節が夏であったこともあり、開けていた窓から容赦なく降り注ぐ中傷の言葉にひどく傷つき、外出の際に人目を気にしなければならない、うつ状態に追い込まれたこともありました」 発言力のある政治家が突然、選挙演説やTMと称して自宅前や自宅近くに現れ、拡声器などで名前を連呼されたら誰でも恐怖を感じずにはいられないだろう。何らかの対策を考える時ではないか。 ◇ ◇ ◇ 兵庫県には記者会見で“号泣”し、一躍「時の人」となった県議がいた。今、何をしているのか? 関連記事【顔を見る】で詳しく報じている。