「キンプリファンの感情を逆撫でした」 “炎上知らず”のアサヒビールアカウントが「キンプリいじり」に便乗した失策・・・“ネットミームに便乗”の落とし穴とは
以前は、企業の公式アカウントも多数、これに参加して、「バルス祭り」を盛り上げていた。 ■インターネットミーム活用の「2つのリスク」 10年ほど前は、企業のSNS運用はさほど重要視されていなかったため、「中の人」の属人的な対応に任せることも多かったのだが、最近はマーケティング戦略に基づいて運営、投稿を行うことが多くなっている。 以前なら企業アカウントもバルス祭りに参加してみたり、日常のちょっとした話題をSNSに投稿したりしていたが、最近は、「会社の宣伝になっているのか?」「商品は売れるのか?」といったことが重視されるようになっている。
一方で、企業が「新商品を発売しました」「新CMを放映します」と投稿したところで、よほど話題性がない限りは、多くのSNSユーザーは注目もしてくれなければ、シェアもしてくれない。 そこで、企業のSNS運用担当者は知恵を絞るわけだが、常に新しいアイデアが生まれるわけではない。そうした際に、インターネットミームに便乗するというのが一つの方法として考えられる。 ところが、インターネットミームの活用は、うまくいけば広くシェアされる一方で、炎上するリスクも高い。つまり、ハイリスク・ハイリターンの宣伝術である。企業のインターネットミームの活用は、以下のようなリスクがある。
1:利用すること自体が「商業主義」「金儲けのため」と見なされかねない 2:文脈を十分に理解して行わないと、人を傷つけたり、差別をしたりする可能性がある ■LGBTQ+の人たちへの差別と誤解されるリスク 例を挙げよう。 ゲリラ豪雨が起きた際に、それを文字って、SNSに「ゴリラゲイ雨」という投稿をする人がよく見られるようになった。 2022年に東急ハンズが公式Twitter(現X)アカウントから、このネタで投稿した。本件も「同性愛者への差別だ」という批判が起きて炎上し、東急ストアは投稿を削除し、謝罪をした。