デザイン列車を抱える九州エリア その魅力とは
10月14日は「鉄道の日」
10月14日は「鉄道の日」です。1872年10月14日、新橋~横浜間に日本初の鉄道が開通し、それを記念して今から20年前の1993年に「鉄道の日」が制定されました。日本に鉄道が登場し140年以上の時を経て、現在では人、モノを運ぶ交通インフラの枠を越え、「乗り物を楽しむ」という違った役割も担うようになりました。そんな、「楽しむ」鉄道として多くの話題を提供しているのが、九州エリアを走る鉄道です。10月15日にはクルーズトレイン「ななつ星」(JR九州)が運行を開始。それ以外にも様々な観光列車をかかえる九州の鉄道事情について、解説します。
「ななつ星」だけじゃない鉄道の魅力
さまざまなメディアに取り上げられるなど、話題となっているのが、クルーズトレイン『ななつ星』ですが、九州を走るユニークな列車をは、それだけではありません。JR九州が運行している列車には、クルーズトレインのほかに、観光列車として『ゆふいんの森』、『A列車で行こう』、『いさぶろう・しんぺい』、『あそぼーい』など、さまざまなエリアで個性豊かな列車が運行されています。 クルーズトレインとは宿泊などを含む、鉄道の旅をメインとしたツアーで、観光列車とは、そのものが観光スポットとして、旅行の目的になるような列車のこと。それぞれはカテゴリは異なりますが、「鉄道」という意味では、九州エリアの鉄道を魅力的にする象徴的な存在、ということになります。 「JRは、それぞれのエリアで特徴があります。リニアの開発などで技術力の高いJR東海、沿線での街づくり、駅ビル開発などで収益性の高いJR東日本に対し、JR九州は、観光に力を入れています。九州は、福岡県はビジネスの比率も高いですが、他県はいわゆる観光要素が強く、九州1つで一体としてなって観光に力を入れていることから、鉄道の役割が大きかった。それが、九州新幹線が開通したころから顕著になってきていますね」とJTB総研・波潟郁代氏。観光地から観光地へ人を運ぶ手段としての鉄道が、次第に交通インフラの役割を越え、観光客を魅了する観光列車へと姿を変えていったと言います。