デザイン列車を抱える九州エリア その魅力とは
アクアエクスプレスが最初のデザイン列車
最初に奇抜なデザイン列車が九州に登場したのは、1988年に遡ります。リゾートホテル「海ノ中道ホテル(現在のザ・ルイガンズ)」に合わせたデザインの列車を走らせようと、工業デザイナーの水戸岡鋭治氏に『アクアエクスプレス』(1988年~2002年まで運行)のデザインを依頼したことが最初だそうで、「それ以降、通常の特急の『ソニック』(博多~大分県・佐伯)や『かもめ』(博多~長崎)なども水戸岡先生にデザインを依頼しています」(JR九州・広報)。その後、水戸岡氏がデザインした個性豊かな特徴を持つ観光列車がさまざまなエリアで走るようになっていきました。
地域活性化にも貢献
観光列車の役割は、県外からの観光客を楽しませるだけでなく、その列車が走る地域経済にも大きく貢献しています。「『はやとの風』は特急などでは停まらない駅に停車し、地域を盛り上げる役割を果たしています」(前述・JR九州広報)この『はやとの風』は、鹿児島県北部の吉松駅~鹿児島中央駅を結ぶこの路線は、大隅横川駅、嘉例川駅のような無人駅にも停車するなど、地域活性に一役買っています。
「おれんじ食堂」は予約困難
また、個性的な列車は、JR九州だけではありません。第三セクターで運営されている肥薩おれんじ鉄道が運行する観光列車『おれんじ食堂』の人気が高く、予約が取りづらい状況となっています。『おれんじ食堂』は全席食堂車となっており、本格的な料理を堪能しながら、熊本・新八代~鹿児島・川内間の列車の旅を楽しむことができます。 このように全国から九州へ観光に訪れた人たちを、交通インフラとしてだけでなく、鉄道そのものが観光スポットとなり、観光客を楽しませています。観光エリアを走る鉄道として、単に人を運ぶだけでなく、運ぶ人を楽しませるよう取り組んできた結果、現在のように人気の列車が多く運行されるようになったようです。