図書館に行くよりもずっと集中できる…齋藤孝が「1日に平均2回」は立ち寄る"最強の作業スペース"
■B'zの『LOVE PHANTOM』を4時間リピートすることも カフェではたいてい、ウォークマン(ポータブルオーディオプレーヤー)で音楽を聴きながら思考します。音楽を聴くと、集中できる感覚があるからです。 ちなみに、ウォークマンにはCD数百枚分の楽曲を取り込んでいます。私はCDの購入がアーティストの創作活動への貢献であると考え、令和の今もせっせとCDを購入する人間です。外でも音楽を楽しめるよう、所蔵しているCDをパソコンに取り込み、わざわざウォークマンへと転送しているのです。 カフェで過ごす1時間、しばしばリピートするのがB'zの『LOVE PHANTOM』という楽曲です。新幹線で移動する際は、4時間近くリピートすることもあります。 1曲を3時間も4時間もリピートするのは、ちょっとやりすぎかもしれません。けれども、同じ曲をリピートしたほうが、明らかに集中しやすいのです。 ■思考のリズムが整い、集中のゾーンに入る たくさんの曲を聴くと、曲が変わるたびに音楽のほうに意識が向き、どうしても思考が疎かになりがちです。一方で、同じ曲を繰り返すと、音楽が自分の思考を引っ張ってくれるような感覚がもたらされます。 たとえていうなら、マラソンでペースメーカーのすぐ後ろを走っているような感じでしょうか。自分であれこれ考えずとも、音楽にしたがうだけで思考のリズムが整い、集中のゾーンに入ることができるのです。 特に『LOVE PHANTOM』には音楽として精度の高さと緊張感があり、より思考を引っ張ってくれる印象があります。音楽が響いている限りは思考が続き、音楽が途切れたとたんに思考も途切れてしまうくらいです。 もちろん、『LOVE PHANTOM』でなければダメというわけではありません。音楽を聴きながら思考しようとする人は、自分にフィットする曲を見つければよいのです。フィットする曲が見つかれば、私が語っている感覚をきっと理解してもらえるはずです。