石破首相も活用を訴える「短時間正社員」は夢の働き方か?テレワークと同様“市民権”を得るためにすべきこと
■ 今後増えていく余地がある「戦略的短時間正社員」の導入 いまは福利厚生的な短時間正社員導入が主流になっていますが、多くのメリットがあることを踏まえると、戦力として積極的に導入する戦略的短時間正社員の導入が今後増えていく余地があると感じます。 そのためにまず必要なのは、正社員はフルタイムでしか働けないという固定概念を取り払うことです。長年政府が推進してきたテレワークは、コロナ禍に見舞われるまで広がることのない夢の働き方でした。 しかし、日本生産性本部が公表している「第15回 働く人の意識に関する調査」によると、いまは導入率が16%程度にとどまるとはいえ、決して夢の働き方ではなく一般的な選択肢の一つに組み込まれて定着しています。 「多様な働き方の実現応援サイト」には、すでに短時間正社員の導入事例がたくさん掲載されています。副業促進や男性の家事育児機会が増えていくにつれ、もっと時間の融通を利かせながら収入やキャリアを発展させていきたいという希望は、性別を問わず高まっていく可能性があります。 短時間正社員は、そんな希望を実現させられる選択肢の一つに違いありません。今後徐々に事例が増えていけば、短時間正社員もテレワークと同様に夢の働き方ではなくなり、やがて一般的な働き方の選択肢として市民権を得ることになるのではないでしょうか。
川上 敬太郎