「口だけの人間になってた」「こんな親父でごめん」ーーTKO、どん底からの再出発
木本:俺は人に影響されずにぶれずにやってるんですっていう顔をしてたくせに、ほんまは人一倍、人に影響を受けて、人のことをうらやんで、自分がそうならなかったら不安になってた。でも、それを隠すために必死で演じてた。 木下:もっと素直でええのに。でも、俺もやっぱりTKOっていうものに刺激がなかったりマンネリを感じたりっていうのもあったと思う。ワクワクしながらやってる状況ではなかった。関係性も良くなかったし、結構どんよりしてた。 木本:せやな。コンビでいうと、ネタ作ろかっていうときに空気悪かったのに、一歩外に出たらそれを2人とも一生懸命隠そうとしてたというか。最初に対処していかなあかんところを後回しにしてたよね。
あのときは15キロぐらい痩せたんかな
投資トラブルが発覚した後、木本は家にこもりきりの生活が続いた。木下が声をかけて、久々にコンビで顔を合わせることになった。 木本:俺の騒動が発覚して、外にも出られなくなって。2カ月ぐらい経ったときに、木下から「一回会おうか」って連絡が来て、友達の家で会うことになって。あのとき、木下から見て俺ってやっぱりひどい状態やったわけ? 木下:いや、もう怖かったもん、ほんまに。ガリガリに痩せてるし、電気もつけずにたばこ吸ってて。 木本:あのときは15キロぐらい痩せたんかな。で、そのときに「これからどうしていく?」っていう話をして。いつかネタはまたやりたいな、とか。でも、その話し合いの時間は短くて、あとは雑談をして。久々に地元の友だちやった頃の感じでしゃべれて、それだけで俺は生きた心地がした。で、帰るってなったときに、木下がおもむろに封筒を出して、テーブルにサッと置いて「これ、何の足しにもならんかもしれんけど、とにかく生活の足しにしてくれ」って言って。あとから中身見たら、木下がそれなりに頑張ってくれた額が入っていて。めちゃくちゃ嬉しくて、あとでもう涙止まらんかったし、今もその封筒は手つけずに神棚に置いてるわ。1つだけ言いたいのは、今まで木下のこと、ケチなキャラっていうことでイジってきたのに、これでもうイジられへん。 木下:イジってきたら、俺、それ言うからな。 木本:嬉しいけど、それがめっちゃ悔しいよね。