ハワイへの団体旅行販売コンテスト始まる。上位30名には報奨視察ツアー参加権
JATA(日本旅行業協会)は11月21日、霞が関の本部で会見を開き、ハワイ州観光局とMeet Hawai'i(HVCB:Hawai'i Visitors&Convention Bureau)と共同で、団体旅行の販売コンテストを行なうことを発表した。 【画像】Meet Hawai'i 日本地区代表 蜂谷浩之氏 期間中の団体宿泊部屋数を評価するもので、上位30名を「ハワイ団体エキスパート」と認定して表彰するほか、報奨視察ツアーへの参加権を授与する。 JNTO(日本政府観光局)の11月20日の発表によれば、2024年10月期の出国日本人数は114万8400人で、2019年比では69%(166万3474人)に留まる。方面別では、ハワイは2019年比44.5%と回復半ばであり、日本発ハワイ行きのアウトバウンド市場を拡大する狙いがある。ハワイ市場の回復遅れは円安と個人需要の冷え込みが背景にあるが、MICEやインセンティブツアーはこうした影響を受けづらく、ハワイを訪れた家族の影響でその世帯の家族旅行が実現する、といった背景もあるという。 本コンテストは旅行会社単位ではなく個人の表彰であることがポイントで、JATAとしても大手でなくても入賞の機会は十分にあると見込んでいる。対象はJATA会員旅行会社に所属している「団体営業業務経験10年以内」のセールスパーソンで、エントリー期間は11月21日~2025年1月31日。 対象の旅行契約は2025年4月1日~11月30日、対象の出発期間は2025年6月1日~2026年12月31日(1年7か月間)とかなり長めに設定している。 期間中に担当者が獲得した団体旅行の部屋数×宿泊数×獲得回数でポイントを数値化し、例えば、 1団体目:50部屋×3泊5日なら、1×50×3=150ポイント 2団体目:40部屋×4泊6日なら、2×40×4=320ポイント という具合に、獲得した団体数が多いほど有利になる仕組みを採用する。2025年11月時点のポイント上位30名(受賞は1社あたり上限5名)を選出し、12月に表彰を行なう予定。 なお、選出までの間にハワイ州観光局監修の「ハワイスペシャリスト検定」初級以上に合格している必要がある。 JATA 海外旅行推進部 部長の稲田正彦氏は、本コンテストについて、ハワイに精通した営業担当者を増やすことも狙いにあるという。コロナ禍の3年間で旅行商品を造成できない期間があり、修学旅行・社員旅行などを実施できなかった期間に業界に入ってきた人はもちろん、配置換えなどでノウハウが失われたり、そもそもオペレーションを経験したことがなかったりと、「精通した担当者が減っている肌感がある」と危機感を表わす。 エントリー自体にデメリットはないため、稲田氏は「10年以下の団体旅行営業担当がみんなエントリーするくらいでもよいのではないか。自覚を持ってハワイを売ってくれる担当者がどれくらい増えるか。その意識を持ってもらえるとうれしい」とコンテストへの期待を寄せた。
トラベル Watch,編集部:松本俊哉