EDLP=毎日安い<オーケー>関西初出店…商品選び抜き「ここなら損しない」スーパーに
二宮涼太郎社長インタビュー
コロナ禍の巣ごもり需要が一服し、原材料費の高騰や人手不足、物価高による節約志向といった逆風に直面するスーパーマーケット業界。コンビニエンスストアやドラッグストアなど、業界の垣根を越えた競争も激しさを増している。各社が生き残りに向けた次の一手を模索するなか、今年11月、関西に初出店するディスカウントスーパー「オーケー」(横浜市)の二宮涼太郎社長に狙いを聞いた。(聞き手 升田祥太朗、写真も) 【図表】店舗数の伸び率推移
生活を支える
2021年に関西スーパーマーケットに買収提案した時点で、次なる成長を求めるなら、関東に次ぐ経済圏である関西にという思いがあった。 結果として買収は成就しなかったが、「オーケーに出店してほしい」という要望が多く、「それなら、自前で」と考え、地域一番店を目指すべく、準備を進めてきた。
食品や日用品を扱うスーパーは、毎日の生活を支える存在だからこそ、コロナ禍でも営業を認められた面がある。だが、競争は激しい業界だ。 我々の既存店近くに競合が出店してくることはざらで、その反対もある。ある程度、競争が落ち着いたと思っても、新店ができて(売り上げが落ち)閉店を余儀なくされることも日常茶飯事だ。 関西にも既に競合スーパーはたくさんある。我々の出店で、価格や品ぞろえの競争は激しくなるのは間違いないが、最終的に選ぶのはお客様だ。十分な人口がある以上、出店余地はまだまだあるし、お客様に選んでもらえるよう、魅力ある売り場づくりをしていきた
大手への集約
10年前に比べ、建設費だけでも1.5倍ほどに膨らみ、出店ハードルは高まっているが、関東と関西で合わせて2桁の年間出店目標は維持する。パートを含めた人材採用も着実に進んでいる。 当面、関西の出店エリアは大阪府と兵庫県と考えているが、上限は決めていない。規模がないと、物流といった面でコスト競争力が出ないためで、空白を埋めるべく、どんどん自前の店舗を増やす。企業の合併・買収(M&A)は「時間を買う」ことができる手法で、縁があれば今後も是々非々で検討したい。 コンビニエンスストアやドラッグストアよりは緩やかだが、スーパーでも大手への集約が進み始めた。手間のかかる生鮮食品などでは地場の強みがあり、規模によらず、顧客支持で生き残っていける面がある。一方、物価高で様々なコストが増し、小規模な事業者ほど経営環境は厳しい。今後も大手の占有率は高まっていくだろう。